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[社説]過去史でどれほど国家を混乱させるつもりか

[社説]過去史でどれほど国家を混乱させるつもりか

Posted January. 20, 2006 04:53,   

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政府与党が、先日の確定判決に対して再審を申請できる権限を過去史委員会(過去史委)に与え、韓国戦争前後にあった民間人集団犠牲事件の遺族に医療費を支給する内容の特別法制定を推進する動きを見せている。国家のアイデンティティを揺さぶり、司法権の侵害論議を呼ぶ危険な発想である。

過去史委が再審を申請できるようになれば、これまで制限的に認められてきた再審事由の幅は大きく拡がる。過去史委が要請しても再審の決定権は裁判所にあるため、司法権の侵害ではないと政府与党は説明する。しかし、過去史委が再審を申請すれば圧力で作用する可能性が高く、司法権侵害の素地がある。過去史委の要請によって、司法部が独裁政権時代の確定判決を度々覆すことがあれば、裁判所の権威と法の安定性は崩れるだろう。そうなっては、国民の信頼の中で、正常な司法権が行使できるのかも疑問だ。

民間人虐殺事件の遺族に医療費と生活費を支給することも、国家アイデンティティを揺さぶり、理念対立を激化させる恐れが大きい。韓国側軍警や右翼によって殺された共産党員の遺族が、医療費や生活費を支給されることになれば、共産党によって虐殺された右翼人士の遺族は、金正日(キム・ジョンイル)政権から補償金が受けられるというのか。50年前の戦争の混乱の中で起きたことを引っぱり出し、傷口をさらけ出して理念対立をあおる政権は、果たして正常だろうか。このように無理な法を作ろうとするのは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の人々の左傾的な意識によると考えるほかはない。

政府与党は、反人権的国家犯罪のうち公訴時效になっていない事件は、無条件に公訴時效を排除する内容も特別法に盛り込もうとしている。特別に問題になることはないが、実益もあまりない。独裁政権が終わった1987年6月以降は、最長公訴時效(15年)を適用しても、公訴時效排除条項が適用される犯罪は、事実上ないと見るべきだ。

口では「未来への備え」と言いながら、絶えず過去に向かう政権をいつまで眺めなければならないのか。