実質購買力を基準とする韓国の1人当りの国民所得が、2004年に初めて2万ドルを超えた。
通常用いられる1人当りの国民所得も、ドルに対するウォン相場が4%下落(ウォン高)すれば、来年、2万ドルを超えると、政府が推計した。
経済協力開発機構(OECD)が今月初め、ウェブサイトを通じて発表した04年現在の1人当りの国民所得によれば、実質購買力を基準とする韓国の1人当りの国民所得は2万600ドルで、加盟30カ国のうち、23位だった。
通貨を基準とする1人当りの国民所得は、1万4100ドルで24位だった。
●韓国も購買力では2万ドル国家
政府が公式統計に用いる1人当りの国民所得は、自国通貨の為替を基礎とする。購買力を基準とする1人当りの国民所得は、各国の物価水準を考慮した実質購買力に基づく。
例えば、2国間で、1人当りの国民所得が同じ2万ドルであっても、物価水準が相手国の半分の水準なら、実質購買力を基準とする1人当りの国民所得は2倍になる。
中国も、1人当りの国民所得は1000ドルに過ぎないが、物価が安いため、購買力を基準とする国民所得は5000ドルになる。後進国であるほど購買力基準の国民所得は高く算出される。
LG経済研究院の宋泰政(ソン・テジョン)副研究員は、「1人当りの国民所得は為替の要因が大きいのに対し、購買力基準の国民所得は、実質的な生活水準をより正確に反映する」と述べる。
●ウォン高ドル安が進めば来年の公式統計2万ドル有力
一般的に用いられる通貨を基準とする1人当りの国民所得は、2万ドルに及ばない。
財政経済部は昨年、「2006年経済運用方向」を発表したさい、5%前後の経済成長率と年平均為替1024ウォンを前提に、2008年の国民所得2万ドルは可能だと発表した。
成長率を達成し、今年と来年の年平均為替が4%ずつ下落すれば、来年の1人当りの国民所得は2万380ドルにのぼるという。
昨年の年平均為替が1024ウォンだから、4%下落すれば今年の年平均為替は983ウォン台。16日、ドルに対するウォン相場の終値が982.50ウォンであることを考えれば、来年、2万ドル時代が開かれる可能性もある。
しかし、OECD加盟30カ国のうち18カ国で、1人当りの国民所得が3万〜7万ドルであるため、「2万ドル=先進国」の等式を適用するのは無理という指摘もある。
韓国銀行の閔成基(ミン・ソンギ)調査総括チーム長は、「2万ドル達成は、先進国入りできるシステムがやっと整ったという意味」とし、「所得格差の解消など、内容に注意すべきとき」と話した。
●韓国の2万ドルは成長が主導
財政経済部が作成した資料「先進国の1万→2万ドル達成期間及び要因」によると、OECD17カ国が2万ドルを達成するのに、経済成長が46%、自国の通貨高が54%の寄与をしている。
日本、イタリア、デンマークなどはドル安による自国通貨高で2万ドルを達成したいっぽう、シンガポール、アイルランドなどは経済成長が大きく寄与した。
韓国は1万ドルを達成した1995年以降から2004年まで、毎年4.9%の経済成長率を記録するいっぽう、為替はわずか0.1%の上昇という、成長主導型。
ウォン・ドル為替は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権発足直後の2003年4月に頂点に達した後、下落傾向を見せている。国民所得の増加にウォン高の影響を受け始めた。
盧大統領が4日、大韓商工会議所主催の新年会で、「為替のために、2万ドルに達しないことを願う」と強調したのも、これと無縁ではない。
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