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[オピニオン]1.5次産業

Posted November. 29, 2005 07:51,   

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手の荒れた済州道(チェジュド)の農夫、ミン・ミョンウォンさん(53)は、10年ほど前にフランスへ旅行したさい、農村のこぢんまりとしてきれいなホテルに深い印象を受けた。ステーキを焼きながら宿泊客と談笑する主人も、かっこよかった。日本の農村も見て回ったミンさんは1997年、西帰浦(ソグィポ)に韓国初の休養型ペンションとみかん農場のある「キュルリムソン」をオープンした。丸太で建てた客室、田舎の味噌と新鮮な野菜、みかん収穫体験などが都会の人々を呼び寄せた。キュルリムソンの入場客は年間10万人をこえる。

◆内陸の農民たちは、「観光条件のいい済州と、うちの村は違う」と言う。すると、ミンさんは「田んぼに天然のフナやドジョウを飼えばいい。農民たちは、道がたくさんあるのに探そうという努力をしない」と叱咤する。ミンさんは、済州島の石に風蘭と野生花を生けて育てた石付作を中心に公園をつくり、来年から有料で開放する計画だ。キュルリムソンを訪れたお客さんには、自ら栽培したみかんや電子メールを送り、「アフターサービス」を施す。

◆農業に、観光レジャー産業は言うまでもなく、文化芸術、情報技術、生命工学技術などを融合するこのような試みは、海外にも見られない「ベンチャー農業」だ。ミン・スンギュ三星(サムスン)経済研究所首席研究員は、これを1.5次産業と呼ぶ。第1次産業である農業を中心に、製造業やサービス業の性格を半分ほど加えたものだ。「熱情、探求、挑戦、冒険、エネルギー」の遺伝子を継ぐ農業人が、政府に頼らずネットワークを活用し、新しい市場をつくりあげるのが、ベンチャー農業だ。大規模な企業農業や競争力世界1位の農業でなくとも、「小さくても強い農業」を志向する。

◆毎月1泊2日で開かれる忠清南道錦山郡(チュンチョンナムド・クムサングン)の農業ベンチャー大学で、ベンチャー農業人1000人あまりが一昨日、イベント後、「韓国農業希望宣言文」を採択した。「政府依存から脱皮し、体質を変え、消費者を確保し、農業を経済発展の動力に育てよう」。ミン研究員は、「スポーツや企業のように、農業からもスターが出なければならない」と彼らを励ました。日本で農家所得が特に高い静岡県の農民と公務員がこのイベントを見て、「彼らに学びたい」と、彼らを日本に招待した。

洪権嬉(ホン・クォンヒ)論説委員 konihong@donga.com