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[オピニオン]「票になる方向」

Posted November. 25, 2005 08:29,   

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米国の政治用語に「ポーク・バレル(pork barrel=豚肉入りの筒)」という言葉がある。政治的配慮によりばらまき式に、特定地域に予算や利権、官職などを与えることを指す。南北戦争前、筒に入れた塩漬けの豚肉を奴隷たちに配給したことに由来する言葉だという。住民に、「豚肉一皿を与える政治」というわけだ。最近でも、国民の税金による連邦予算から、特定地域の事業費を引き出そうとする議員をあてこすって、マスコミがこの用語で批判している。

◆韓国でも、「豚肉政治」に与野党の違いはない。何としてでも自分の地域に税金を引っぱって使おうとする動きが「政治予算」を作る。国会議員と地方自治体首長が予算を取りつけた功を誇って、争いもする。特定地域に官職を送ることも「豚肉政治」だ。韓国はもっと大がかりだ。地方区程度ではなく、農民、基礎生活保護対象者などのかなりの広い範囲に、政治的目的で大金をふりまくケースも多い。この程度にると、「牛で宴会をする政治」である。

◆ウルグアイラウンド(UR)交渉によって、農産物市場を開放することになるや、金泳三(キム・ヨンサム)政権は、農漁村の構造改善に42兆ウォンの予算をあてた。金大中(キム・デジュン)政権も、45兆ウォンを支援した。農地整理、農機械の普及、専業農の転換などの変化も一部あった。しかし農民は、所得よりも借金がさらに増えた。コメは、国際競争力を失いつつある。23日の国会で、ヨルリン・ウリ党の鉠馹鉉(チョ・イルヒョン、江原道洪川—横城)議員が、「(政界が)票になる方向に進んだため、42兆ウォンを投じても、農業の競争力を育てることができなかった」と嘆いたとおりだ。

◆盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権も、農業と農村に10年間で119兆ウォンを投・融資するという。この10年間、底の抜けた筒に水を注ぐように約80兆ウォンを使った経験が、薬になったのだろうか。今度は「票になる方向」ではなく、確かな效果を出せる農村活性化事業に予算を投じなければならない。「豚肉配給」のやり方ではだめだ。そのためには現政権こそ、国民の税金を正しく使う方法を今からでも学ばなければならないのだが…。

洪権憙(ホン・クォンヒ)論説委員 konihong@donga.com