Go to contents

韓国産キムチの輸入禁止の理由は?

Posted November. 02, 2005 05:07,   

한국어

韓国産キムチなどから寄生虫の卵が検出されたという中国の発表は、事実だろうか。

有害食品に対する調査と輸入禁止の措置は、いかなる国であれ保有する権利だ。

しかし、韓国食品業界と食品医薬品安全庁(食薬庁)は、中国にキムチを輸出したこともないと明らかにしており、騒動の真相に関心が集まっている。

●中国の発表は疑問だらけ

1日、食薬庁と業界によると、今年に入って中国に輸出されたキムチは16tだ。

このうち、中国の検疫当局が、キムチから寄生虫の卵が検出されたと明らかにした東遠(トンウォン)、斗山(トゥサン)、CJ、プルムウォン、トトゥラクなどは今年、中国にキムチを輸出していないことが確認された。

東遠は中国にキムチ工場はあるが、すべて日本に輸出している。

斗山は中国でキムチを売ってはいるものの、現地で作ったものなので、中国が明らかにした「韓国産輸入食品」には当たらない。

中国当局が指摘した業社と製品の名前が不明確で、本当に韓国企業が作ったキムチなのかどうかも明らかでない。

検疫当局のホームページには、東遠の「両班(ヤンバン)キムチ」を「東源」の「士大夫(サデブ)キムチ」とし、「東遠」を「東源」と誤って表記した。

斗山の「宗家(チョンガチプ)キムチ」も、現地で流通している商品名(宗家府)ではなく、「宗家」を音のまま表記した「中加吉」と記した。

また、コチュジャン(唐辛子みそ)と焼き肉のたれは中国に輸出されてはいるが、殺菌処理の過程を経るため、寄生虫の卵が残る可能性はゼロに近いというのが食品専門家らの見解だ。

食薬庁の李昌濬(イ・チャンジュン)食品安全政策チーム長は、「寄生虫の卵は摂氏70℃で1秒、60℃で5秒以上加熱すると死ぬ。韓国の業社は、コチュジャンは85〜95℃で5分間、焼き肉のたれは85℃で2〜5分間殺菌処理するので、寄生虫の卵が残る可能性は薄い」ことを明らかにした。

●不満うっ積による報復か

在中韓国大使館と在韓中国大使館の関係者は最近の事態について、「昨日今日のことではなく、中国には不満がたまっている」と、口をそろえて述べた。

外交通商部によると、中国はキムチ、茶、うなぎなどの中国産輸入食品の有害性問題が起こるたびに、韓国の発表や処理方法に対して不満を表わしてきた。

中国の李長江検疫総局長は先月26日、中国北京で開かれた呉巨敦(オ・ゴドン)海洋水産部長官との会談で、「中国に輸入されている韓国産製品にも問題があるが、私たちは対外的な発表に力を入れない」と述べた。

食品から有害物質が検出された時、即時に国民に発表する韓国の方針に不満を示したのだ。

法務法人ユルチョンの鄭永珍(チョン・ヨンジン)弁護士(通商専門)は、「食薬庁と業界の説明どおりなら、今回の事態は中国の典型的な『力による報復』とみられる」と話した。

●全面戦争は両国政府いずれにも負担

中国が韓国産に対して有害性を主張し、韓国が違う分析結果を出す可能性も少なくない。

世界貿易機関(WTO)の「衛生及び植物検疫措置の適用に関する協定(SPS)」は、「有害性に対して客観的かつ科学的根拠がある場合、輸入を禁止できる」と規定しているが、「客観的かつ科学的根拠」の概念はあいまいだ。

東国(トングク)大学国際通商学部の郭魯成(クァク・ノソン)教授は、「両国が共同調査する案が最も合理的だ」としながら、「すでに両国が、『韓中品質検査検疫協議体』を早期に稼動することを決めているので、適正ラインで妥協が成立するだろう」と予想した。

専門家らは、今回の措置が中国の警告性の報復だとしても、全面的な通商摩擦に飛び火しないと見ている。全面戦争をするには、両国いずれにも負担が大きいためだ。

中国は昨年、米国を抜いて韓国の最大交易国に浮び上がった。華僑圏の香港、バージン諸島を除けば、韓国は対中国投資1位の国だ。

中国がWTO加盟国になったことで、過去のニンニク紛争の時のように、一部の食品問題を他の商品への輸入規制に拡大することはないだろうという分析も出ている。

鄭弁護士は、「中国が他の製品に対して貿易報復をするには、『関税および貿易に関する一般協定(GATT)』11条など、多くのWTO規定を破らなければならないため、容易ではない」と説明した。