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[オピニオン]浪人30回で資格取得したホン・スンヒョク氏

[オピニオン]浪人30回で資格取得したホン・スンヒョク氏

Posted October. 22, 2005 10:30,   

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「70歳の若さは、40歳の老化よりエネルギッシュで希望がある」。米最高裁判事だったオリバー・ホームズが生前によく口にした言葉だ。常に、こうした気持ちで生きてきたおかげだろうか、同氏は94歳まで生き、天寿をまっとうした。世の中には、若者に劣らずおう盛な生き方をする高齢者がいるかと思えば、まだ若いのにふけてしまうような早老の人もいる。老化は、生物学的な要因よりは心理的な要因により多く影響されるという医師たちの話もうなずける。

◆周りを見わたすと、活気に満ちた人生を送っている高齢者たちが多い。登山路や近くのバドミントン・コートで、若者よりもいっそう軽く体を動かしている高齢者を見ることもあり、通勤のさい、街で交通指導をしている高齢者たちに会うこともある。最近は、70歳の男性が194回にわたる挑戦のすえ、運転免許の筆記試験に合格した。ある70歳の女性は4回挑戦したすえ、若い人でも取得が難しいという変額保険販売管理士の資格証明を獲得した。

◆このほど、ソウル九老(クロ)区に住む78歳の男性、ホン・スンヒョク氏が30回の挑戦のすえ、ボイラー取扱技能士第2級の資格証明試験に合格した。15年間を試験勉強に費やし、本が全部破けてしまったという同氏は、「勉強がしたかった。90歳まで、今度は何を勉強しようかと悩んでいるところ」と話した。「老いてますます盛ん」という言葉を実感させる。受験を応援してくれた近所の住民のボイラーを全部修理してあげたい、という同氏の言葉からは、人生のおおらかさと温かさがにじみ出る。

◆高齢者の最も大きな苦痛は、まだ働けるのに適当な働き口がないという点だ。そんな状況だから、街や公園などをぶらぶらと歩きまわるようになり、中には疎外感に耐えられず、自殺するケースまで生じる。高齢者にきちんとした仕事一つ与えられない現実はいたたまれない。しかし、ホン氏のように自ら若く生きる秘けつを開拓していこうとする個人の意志が、より重要だ。勉強でもボランティアでも、やりがいのあることをしながら、楽しく生きていく人であるほど、老化と疾病に対する抵抗力も大きいらしい。哲学者のソフォクレスは「老いゆく者ほど、人生を愛する者はない」と言った。

宋瑛彦(ソン・ヨンオン)論説委員 youngeon@donga.com