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「夫の国の紹介、また始めます」

Posted August. 05, 2005 04:58,   

한국어

「韓流で韓国観光がものすごいブームになっていることに、今昔の感を覚えています。しかし、映画や俳優の紹介にとどまらず、韓国独自の文化を紹介してこそ真の意味での観光だと思います」

1960年代から日韓両国民の相互理解を深めるために力を注いできた伊藤治子氏(70)の忠告だ。伊藤氏は韓国観光公社東京支社で企画宣伝部や相談役などとして約20年間働き、韓国の観光振興に貢献したことをたたえられ2003年には大統領表彰を受けた。

1970年代、ソウルに在住の時は、KBSの国際放送局で「ハルコと覚える日本語」の進行を務め、「朝日新聞」の定期コラムでは韓国の食文化や旅行記を紹介した。

韓国と縁を結んだのは、約1年前に亡くなった在日韓国人の故李健(イ・ゴン)元韓日親善協会中央会副会長と結婚したことが契機だった。東京大学経済学部出身の夫は、航空会社 「JAS」(2004年JALと合併)のソウル支店社長を長年務めた。夫もさまざまな著書の執筆や月刊誌の『文芸春秋』、新聞への寄稿などを通じて、韓日の協力増進に努めた。

二人は米ロサンゼルス・カリフォルニア大学(UCLA)での研修で初めて会った。当時は日韓間の国際結婚に対する拒否感がまだ強く、二人とも親に反対され、結婚まで大変だったという。

「私の国籍は大韓民国といってもおかしくありません。半分は韓国人だと思っています。日韓間でサッカーの試合があれば、いいプレーを見せるチームを応援しています」

さばさばした性格の氏は、気兼ねせず最近の韓国と日本を批判する。

「日韓の若者は事ある度に愛国心を口にしているが、いざ自分のアイデンティティに対する自覚は持っていません。こんな姿はみっともないです」

韓国政府が旧朝鮮総督府の建物を解体したことについても、「日本の文化指数がいかに低いものか如実に示す建物だったのに、どうして壊したのか理解できない」と口調を強める。よその国の国王が住む王宮の中に総督府を建てた文化的常識のなさを指摘したのだ。

プランス語を見下す発言で物議をかもした石原愼太郎東京都知事についても、「バカ」と酷評する。外国の宗教や文化、習慣については価値評価をしてはならないというのが持論だ。

「真の日韓友好は相互文化の違いを理解することから始まります」

昨年、韓国観光公社東京支社の相談役を退職した伊藤氏は、現在東京に居住しながら日本人向けの英語教室を開いている。しかし、韓国通の氏に韓国語や韓国料理の講座をしてほしいという要請が多く、来年は引き受ける考えだ。また、コンピューターを学んで電子メールのやり取りにチャレンジするほか、韓国観光の体験を本にまとめる計画だ。



hanscho@donga.com