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[オピニオン]ルラ大統領

Posted May. 24, 2005 03:13,   

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「国土が大きく、人口と資源が豊かだ。米大陸のおよそ半分を占める」。米国とブラジルの共通点だ。しかし、なぜ米国は豊かでブラジルはそうではないのか。「ポルトガルではなく、英国の支配を受けたなら、米国のようになっただろう」。ブラジルでは、このような返答をよく耳にする。ブラジルは偉大になる運命の国家なので、メシアさえ来れば奇跡が起こるという信念も深い。02年10月、労働者出身のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領が当選するや、ブラジルの人々はメシアを迎えたように歓呼した。

◆「ルラ、あなただけが私たちを救うことができる」と書かれたプラカードのなか、発足して2年半。大統領に対する評価は、ひとまず経済で分かれる。彼は、来年の大統領選挙で再選が無難なほど人気が高い。昨年の経済成長率は、5.2%。10年ぶりに最も早い成長スピードだ。国内総生産(GDP)の57%を占めた公共赤字は、52%に減少した。どのような神妙な政策を使って、国内低所得層はもとより、外国投資家まで安心させることができたのだろうか。

◆変化を掲げて政権を獲得した左派大統領。しかしルラは、むしろ連続性に重きを置いた。ばらまき分配政策の代わりに、放漫な政府の支出を減らし、金利をあげてインフレを阻止する正統市場経済の方策を使った。教育、医療など、前任者のうまくいっていた政策には手をつけなかった。年金や税金改革など、「厳しい愛(tough love)の経済政策」で、政権党の一部から不満を買った。世界銀行のある関係者は、ルラの開かれた態度がこのような「変化」を生んだと話した。

◆「労組の指導者ルラは労働者だけを代弁したが、大統領ルラは1億8000万のブラジル国民全体のために働く」という彼の言葉は、開かれた姿勢をよく表わしている。「ノサモだけの大統領」と比較される。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と似た政治歴程を歩んできたというが、政権獲得後はそうは言いがたい。ルラの来韓を歓迎する。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com