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『ミリオンダラー・ベイビー』4冠王

Posted February. 28, 2005 22:35,   

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黄金分割だった。

28日午前(韓国時間)、米ロサンゼルスのコダック・シアターで行われた第77回アカデミー賞表彰式は「受けて当然の映画」に「受けて当然の部門のオスカートロフィー」を授与する、賢くて冷情な選択をした。

主要部門賞は『ミリオンダラー・ベイビー』と『アビエイター』がそれぞれ受賞した。感動的な内容が輝く『ミリオンダラー・ベイビー』は作品性と関連する部門を、派手で大きなスケールを誇る『アビエイター』は主にビジュアルに関連する部門の賞を多数受賞した。これで『指輪の帝王:王の帰還』が11部門を独占した昨年とは全く違う、「配分の美学」を見せてくれた。

女性ボクサーと老トレーナーの涙ぐましい友情を描いた『ミリオンダラー・ベイビー』は、7部門の候補にノミネートされて作品賞、監督賞、主演女優賞(ヒラリー・スワンク)、助演男優賞(モーガン・フリーマン)などアカデミー賞の核心4部門の賞に輝いた。西部劇『許されざる者』で1993年監督賞を受賞したのに続く二度目の監督賞を受賞した俳優兼監督のクリント・イーストウッド(75)は、「映画を撮った37日間はとても素敵な冒険だった。まだ私が仕事をしているという事実が嬉しい」と言って、「96歳になった母親もあそこ(客席)に座っているが、本当にその(若い)遺伝子に感謝する」と所感を述べ感動と笑いを催した。

同映画の製作陣をいわゆる「老兵チーム」と言ったイーストウッドの冗談どおり、『ミリオンダラー・ベイビー』の受賞は「老兵の勝利」だった。アカデミー賞に挑戦して4回目で助演男優賞に輝いたフリーマンは今年68歳であり、映画の背景であるヒッピッ体育館を作ったプロダクション・デザイナーのヘンリー・ボムステードは89歳だ。

『ミリオンダラー・ベイビー』はスワンクの主演女優賞受賞で二重の喜びを味わった。スワンクも『ボーイズ・ドント・クライ』で2000年主演女優賞を受賞したのに続き、31歳で2度目の受賞の栄誉に輝いた。

映画製作者であると同時に航空業界の大物だったハワード・ヒューズの伝記映画である『アビエイター』は作品賞、監督賞、主演男優賞など11の候補にノミネートされて多冠王の期待を集めたが、助演女優賞(ケイト・ブランシェット)、撮影賞、編集賞、美術賞、衣裳賞など非核心5部門の受賞に止まって「最多受賞」に満足しなければならなかった。この映画でアカデミー監督賞に4度挑戦したマーティン・スコセッシ(63)は再び失敗した。

主演男優賞は伝説的盲人歌手レイ・チャールズの人生を描いた映画『レイ』で、主人公の役を演じて「レイそのもの」と言う賛辞を受けたジェイミー・フォックスに与えられた。

フォックスは、シドニーポワチエ(1963年)、デンゼル・ワシントン(2002年)に次ぐアカデミー史上3人目の主演男優賞を受賞した黒人になった。『レイ』は主演男優賞、音響賞など2部門の賞を受賞した。

一方、今年の授賞式はいつもより多い黒人がスポットライトを受けて人目を引いた。今年初めて授賞式の司会を勤めたコメディー俳優のクリス・ロックと主演男優賞のフォックス、助演男優賞のフリーマンを含め、およそ3曲の主題歌賞の候補曲を舞台で歌う「特恵」を享受した歌手ビヨンセ、賞を与えるために登場した歌手のプリンス、ピー・ディディ、女優ハリー・ベリーなどの姿からは、アカデミーが白人中心の強固な壁を低めようとしている努力の跡が読み取れた。

一方、『バースデーボーイ』で短編アニメーション賞部門候補にノミネートされ、韓国人最初のアカデミー賞受賞が期待された朴セジョン監督は惜しくも賞を逃した。



李承宰 sjda@donga.com