Go to contents

二期目のブッシュ大統領、 北朝鮮問題に関与し始めた

二期目のブッシュ大統領、 北朝鮮問題に関与し始めた

Posted January. 17, 2005 17:14,   

한국어

米国時間で20日、ブッシュ米大統領の二期目の任期が始まる。対外政策を総括する国務長官に内定したライス氏に対する上院人事聴聞会も18日と19日に予定されている。しかしブッシュ政権二期目の対外政策、とくに韓半島政策の基調は依然としてベールに包まれたままだ。ライス氏に対する聴聞会とブッシュ大統領の就任演説、2月2日に予定された一般教書などが出て、ようやくその概要が明らかになるだろう。

東亜日報はブッシュ政権二期目のスタートを控えて、最近、金正眼(キム・ジョンアン)記者をワシントンに派遣し、米政府当局者たちを含め、いわゆるムーバー&シェイカー(Mover&Shaker:政策専門家グループ)たちの動向を緊急取材した。昨年1月に行なった「ムーバー&シェイカー」企画の二回目の取材である。

ブッシュ二期目の外交政策 Mover&Shaker <上>北朝鮮が先か、イランが先か

●北朝鮮問題、ブッシュが直接関与し始めた

1年ぶりに再会したワシントンの韓半島担当の政府関係者たちは、慎重になっていた。

しかし微妙な変化が感じ取れた。「取り合えずは状況を見守る」としていた1年前とは違っていた。何か焦りのようなものが感じられた。ブッシュ大統領の二期目のスタートを控えた時点だからか、慌しい様子だった。

ある政府高官は、「きょう一日でこなさなければならない会合が10件を超える」と打ち明けた。

▲イランか北朝鮮か〓ある当局者はブッシュ二期目の対北朝鮮政策の基調を聞く質問に「ブッシュ大統領が今後最も関心を注ぐことになる外交の優先順位は一番目が北朝鮮でその次がイランになる、と聞いている」と話した。

「ブッシュ大統領再選後、(上から指示する)北朝鮮関連業務の性格や量が以前とは違う。ブッシュ政権一期目の最大の関心事は9.11テロ以後の国際情勢への対処、すなわちアフガニスタンとイラクだった。しかし二期目の対外政策には変化が読み取れる」

もちろん二期目のスタートを目前にした現在も、米国の対外政策の最優先順位にあるのはイラクだ。イラク戦争の開戦後、米軍の死亡者だけで1万2000人に迫っており、30日に予定されているイラクの総選挙に世界の耳目が集まっている。しかし、イラクだけに縛られているわけにはいかない、という空気も強い。

AP通信は最近、北朝鮮とイランの核問題がイラクに劣らない大問題に浮上しているとして、米国には「二者択一」の道しかない、とまで断言する報道をした。混乱するかどうかとは関係なく、総選挙以後イラクから手を引くか、さもなければ国民に「今後4年、もしくはさらに長い期間、厳しい状況が続くだろう」と告白するしかないという。

どういう形であれイラク問題が整理されれば、ブッシュ政権の次の関心は北朝鮮またはイランの核問題に集中することになる、という分析でもある。

もちろんワシントンのある政府当局者の場合、「我々がイラクとイラン、北朝鮮問題を同時に取り扱えないと考えているのか」とむしろ問い返していた。しかし「イランか北朝鮮か」という質問の有効性については否定しなかった。

同当局者は、「イラクに向けられていた関心とエネルギーが、以前よりは確実に減少している。北朝鮮関連業務の量が以前よりも増加しているが、私が知る限り、イラン関連業務や関心が1期目よりも増えたという動きはない」と伝えた。彼は「大統領が直接北朝鮮に関与し始めた(Mr. Bush getting personally involved)」とまで話した。

ワシントンの強硬派と呼ばれる核不拡散論者たちも、「北朝鮮が、イラン問題を悪化させる原因になった」とし、「北朝鮮問題を(イランよりも)先に解決しなければならない」と主張している。

北朝鮮核問題解決に向けた6者協議が3度も開かれながら、何ら進展を得ることができなかったという批判も、プレッシャーになっているということだ。

ある政府関係者は、これを「制度的緊急性(institutional urgency)」と語った。

6者協議という制度的枠組みを先に提案したのが米国であるゆえ、成果を得なければならないという圧迫感を感じるのも米国ということだ。

同関係者は「軍事的措置を取るという意味ではないが、何の進展もなく状況だけを注視することはできないという声が、徐々に高まっている」と伝えた。

無論、他の分析もある。

クリントン政府時代、核不拡散担当の国務省次官補を務めたロバート・アインホン現CSIS研究員は、「ブッシュ政府が見るに、北朝鮮はすでに核兵器保有国だが、イランはまだ核兵器保有の段階ではない。ブッシュ政府内の強硬派たちは、イラン問題にかなり緊急性を感じているようだ」と話した。

▲嵐の前の静けさ〓だからといって対北政策に対する青写真が準備されているようでもない。ある政府当局者は、「ホワイトハウス、国務省、国防総省共同の対北政策が準備されているのか」という記者の質問にしばらく沈黙し、「まだない」と答えた。

しかし、ブッシュ大統領が北朝鮮問題を「最優先順位」に定め、これを細部において直接取り扱う場合、状況は変わるだろうというのが、韓半島専門家はもとより当局者たちの共通の展望だった。ある政府当局者は、「これまで、韓半島政策の分裂は実務陣レベルで始まり、最も熾烈だった」とし、「しかし高官や大統領が乗り出したなら、このような状況は解消されるだろう」と話した。

問題は、ブッシュ大統領の考えだ。

しばらくは6者協議を通じて外交的解決を推進するという米国の基本政策には変わりがないというのが衆論だった。

しかし6者協議で実質的な成果が現われない場合、問題は変わるという分析が支配的だ。

政府内部に明るいあるワシントン消息筋は、ブッシュ大統領を補佐し声を高めている強硬派たちの「ゲームプラン(Game Plan)」をこのように分析した。

「ひとまず、6者協議で何ら成果を出すことができないのは、北朝鮮が交渉テーブルにつかず、ついたとしても米国の提案に対して誠実な態度で臨んでいないためだと、強硬派は主張し続けるだろう。その後、もはや進展が難しいと考えた場合、米国は日本に、北朝鮮に対する圧迫(経済制裁)を促すだろう。韓国と中国にも同じ要求をするだろう。韓国に対しては、北朝鮮との経済交流など、南北交流にはどめをかけてくるが、韓国は同意しないだろう。韓米間の不和の火種がここにある。約6ヵ月に渡って何の進展もないが、これは嵐の前の静けさ(a calm before the storm)と言える」

■米高官の視点

「外交的解決とは、ムチとアメを同時に使うことだ」

昨年に続いて二度目に会った米政府高官の言葉には微妙な変化があった。

ブッシュ政権の二期目には対北朝鮮政策の基調に変化があるのではないか、という印象を受けた。中道的な立場を固守し、いまだ「ムチ」を口にする時期ではないとしていた昨年とは違って、同高官は北朝鮮に対する「圧力(some pressure)」先に口にした。

この高官はいきなり「今は北朝鮮に『いつ会談の席に出るのか』と聞いて待つのではなく、最初から北朝鮮を除いて5者協議を開く方式を考えることもできる」と話した。

次は匿名を前提にしたインタビューの要旨。

——6者協議の今後の展望について。

「6者協議に対する米国のコミットメントは継続するだろう。しかし北朝鮮を除いた5者協議という形式を通じて北朝鮮に圧力をかける方法も考慮できる。これもまた外交的な解決方式だ。外交的解決とは交渉と圧力を同時に使うものだ」

——どういう可能性を念頭に置いているのか。

「北朝鮮に『いつ会談場に出るつもりか』という風に聞くのではなく、(北朝鮮が出ようが出まいが)会談はいつ開かれる」というふうに通報する方法も可能だ。もちろん、まだ公式的な米国の提案ではない。北朝鮮は態度に変化を見せなければならない。そうでなければ、交渉は前に進まない。米国が昨年6月の6者協議で示した提案に対して、北朝鮮も最初は良いとしていた。肯定的な要素(positive element)があるとしていた。しかし翌日、新たな指針を受けては言を翻した。肯定的な交渉態度ではない」

——米国が言う外交的な解決とは何を意味するのか。

「交渉または圧力(経済的な圧力)のうちの一つを選択するのではなく、並行させることだ。圧力も外交的解決のための一つの要素になるべきだ」

——韓国政府が北朝鮮の核問題の解決のために南北首脳会談を推進する場合は?

「南北首脳会談に米国が反対する理由がない。6者協議と並行可能だと考える」