クルドの諺に「クルド人の友人は山しかない」という言葉がある。
この諺には、クルドの悲しい歴史が込められている。クルド族は約4000年前から、イラク、トルコ、イラン、旧ソ連の南部にかけて生活していたが、祖国のない悲しみを噛みしめてきた。人口は3000万人にのぼり、独自の言葉と文化を保有するものの、独立国家を建設することができなかった。幾度か機会はあったが、その度に利用だけされ、念願の独立を手にすることはできなかった。そのため、どの国も信じないという意味である。
バルザーニ・クルド民主党(KDP)党首は、ザイトン部隊のファン・ウィドン部隊長に会った時、「これで『クルド人の友人は山と韓国』に変わるだろう」と歓迎した。
両民族は数千年もの間、接触なく暮してきた。韓国軍の派兵で、思いもよらず始まった両民族の出会いは、後世にどんな縁として残るだろうか。
▲一致する両民族の利害関係〓現在のところ、韓国とクルドは、相互補完的な目標を持っており、良縁を作る可能性が高い。まず、ザイトン部隊は戦闘や治安維持よりは、平和再建活動に重点を置いている。クルド族は、自分たちの民兵隊が治安を維持し、韓国軍は経済支援にだけ専念することを期待する。
バルザーニ党首の甥であるネチルバン・バルザニ・クルド自治政府首相は10日、韓国記者との会見で、「イラク暫定政府が民兵隊の解体を求めているが、決して受け入れることはできない」と釘を刺した。生活水準が韓国の1960年代末〜70年代初めの水準であるクルドは、韓国から経済援助と経済発展のノウハウを学ぶことを望んでいる。
▲悪縁の憂慮も〓両民族のうち、一方が一方的な利益だけを追求したり、イラク及び国際情勢が統制できない方向に進めば、良縁が悪縁に終わる可能性もなくはない。
クルド族が、他の民族や近隣国家と深刻な葛藤を生みながら独立を追求するなら、全アラブ圏との関係を考慮しなければならない韓国とは、相互補完的な目標の保持は難しい。
韓国の経済援助は、クルド族が望むことと彼らに対する深い理解を基にして行なわれなければならない。イラク南部のサマワ地域の住民は日本に対して大きく期待していたが、自衛隊がこれを満足させることができず、日本に対して背信感を持つようになった事例は、他山の石である。
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