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[オピニオン]台湾の海洋国家論

Posted September. 30, 2004 21:57,   

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台湾民進党の陳水扁総統は3月の選挙で、本省人と外省人間の地域感情を刺激するネガティブ選挙戦略で再選に成功した。陳氏は「外来政権である国民党を支持することは、台湾を中国に売り渡すようなものだ」とし、「本省人が一致団結してこれを阻止しなければならない」と呼びかけた。本省人と外省人の区分は、明の遺臣、鄭成功(1624〜1662)に遡る。約350年前、彼に従えて台湾に定着した人たちが本省人で、1949年に蒋介石・国民党政権とともに台湾に渡った人たちが外省人だ。

◆鄭成功は、1644年に明が滅亡するや、金門島や福建省、廈門などで「抗清復明」活動を展開した人物。一時、南京を攻略するなど気勢を振るったものの、1661年に清の強力な攻撃に押され、台湾に根拠地を移した。当時オランダ人を追い出して台湾を植民地から解放させた彼は、フィリピンにまで影響力を広げる雄大な計画を立てたが、38才で夭折した。

◆1996年の総統選挙に出馬した民進党の彭明敏候補は、「台湾は大陸の辺境ではない。太平洋を力強く泳ぐのはクジラの形の海洋国家だ」と力説した。彭氏が唱えた海洋国家論の代表的な支持者が呂秀蓮副総統だ。氏は先月、「鄭成功は中国の歴史上珍しい海洋精神の持ち主」と述べ、「大陸を奪還できないという事実を判断する知恵を持った彼は、台湾が大陸より住みやすいという事実を悟り、台湾人になることを決心した」と主張した。

◆鄭成功は、国民党政権下で本土奪還の象徴的人物として崇められてきた。そんな彼が、台湾独立路線を歩む民進党の政権下で、海洋立国の先駆者にされている。台湾行政院は15日、統一政策を管掌してきた大陸委員会の機能を大幅に縮小して、海洋委員会を新設するという内容の政府組職改編案を発表した。大陸奪還をあきらめて海洋を開拓する「鄭成功版政府」を建設するという意味だ。中国の脅威にもかかわらず、台湾は大陸奪還の急先鋒だった鄭成功に対する新たな歴史解釈を通じて、「両岸(中国と台湾)」の距離をさらに広げている。

北京=黄有成(ファン・ユソン)特派員yshwang@donga.com