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[社説]「塩でも撒きたい」秋夕の民心

Posted September. 25, 2004 21:56,   

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与党ヨルリン・ウリ党の千正培(チョン・ジョンベ)院内代表が秋夕(チュソク・旧盆)を控えてソウル南大門市場を訪れたが、商店街の人々から冷ややかな言葉ばかり言われたそうだ。「帰って政治をちゃんとしてろ」「過去史もいいが、庶民の経済を先に考えろ」というのはまだいい方で、「塩をばっと撒いてやりたい」という言葉まで出たという。

これが民心だ。改革もいいが、まず食べて暮らしていく問題から解決してほしいということだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権はことある度に「反民主的、反改革的な慣行を一掃し、汚辱の過去史を正す」と語ったが、こうしたことが国民の心に全く響いていないことを示している。

だとすれば、軌道修正をすべきだろう。いつまで実体はさておき、かけ声ばかり上げているつもりなのか。もちろん、改革と清算も必要ならすべきだ。だが、それが今日の今の時点で、盧政権が全力を傾けるべき最優先課題だろうか。15日ほど前、本紙の世論調査でも国民10人のうち9人は「大統領が最も重点を置くべき課題」として「経済の回復」を挙げた。

「改革と清算」というが、実はこれを名分に、国民を味方とそうでない側に分け、主流勢力の交代を通じて権力の基盤を固めようとの戦略の一環だとの疑惑があるのも事実だ。政権のアイデンティティーに関する議論がいまだ続いているのも、これと関係がない訳ではない。

国民が不安に思うのも無理はない。世界はずっと先を行っているのに、政権勢力が色あせたイデオロギー論争と過去史の暴露を繰り返し、政治上の駆け引きをしていると映るならば、国民統合も、国の発展も期待できない。結局は、人もカネもみな(この国から)抜け出すことしか考えなくなるだろう。誰かが、そうした不安と不信の環を断ち切らなくてはならない。

答えは国民の声に耳を傾けることだ。自分ばかりが正しく、歴史は結局、少数の改革勢力が引っ張っていくものだという独善と傲慢な精神を捨て、国民が真に望んでいることは何かを聞くべきだ。今年の秋夕には限りなく謙虚な姿勢で民心と向き合ってほしいものだ。