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[オピニオン]嘘

Posted September. 19, 2004 21:54,   

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シセラ・ボークは米国の道徳・哲学専門家だ。彼女は1978年『嘘をつく』という本を出した。ボークは嘘を11種類に分ける。最初に登場するのは白い嘘だ。相手を害する意図が全くないもので、プラシーボ(偽薬)を使うような行為を意味する。次は言い訳をする行為、危ない状況で命を救うためにつく嘘、悪意的な嘘つきに対応する嘘、仲間を保護しようという嘘と欺満的な社会科学研究などに対する議論の順となっている。

◆医師は死に向かう患者の恐怖と不安を軽減するために嘘をつくのが正しいのか。教授が推薦書を書くとき、優秀でない学生を卓越な能力を持ったと表現するのは道徳的なのか。記者は腐敗を暴露するために取材源に身分を欺いても良いのか。ボークが提起するこのような質問は、嘘が私たちの日常生活といかに密接に繋がっているかを示してくれる。

◆ボークが大きく取り上げる嘘の一つに公職者の欺満的行為がある。1960年、米国人はアイゼンハワー大統領がU−2機事件に対して嘘をついた事実を知り、裏切られた感じに包まれた。彼は国民を欺かないとの信頼が厚かったからだ。その後、ベトナム戦とウォーター・ゲート事件を経験し、政府に対する信頼は地に落ちる。1975年世論調査の結果を見れば、69%の米国人は政治リーダーたちが持続的に国民に嘘をついてきたと信じている。このような社会雰囲気によって、ニクソンは嘘のため座を降りた最初の大統領として歴史に記録された。その後、米国社会で、政治家の嘘に対する寛容は見られなくなった。

◆韓国の社会は比較的公職者の嘘に寛大だった。李承晩(イ・スンマン)大統領はソウル死守の約束を破って、さらに10年政権を握っており、朴正煕(パク・ジョンヒ)将軍は民政委譲公約を白紙化した後、18年を大統領として君臨した。根拠のない議員らの企画暴露会見は数え切れないほど多い。それでも最近、政治家の発言を徹底的に検証する報道が増えていることは幸いだ。ボークは計画的嘘が最も悪いと言った。少なくともそのような嘘は区別できる社会になることを希望する。

李載景(イ・ジェギョン)客員論説委員(梨花女子大学教授、言論学) jklee@ewha.ac.kr

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com