「陸上の王国」米国の低迷で浮上する、中国の反乱。
29日現在、2004アテネ五輪の陸上種目46金メダルのうち、男子マラソンを除いた45個のメダルが確定したが、世界陸上の勢力再編の兆しが著しい。
短距離を中心に、これまで堅固に守られてきた米国の牙城が脅かされる反面、中国がトラック種目で金メダル2個を取って世界陸上の辺境から中央に足を踏み入れた。
今大会で最も目立つ特徴は「陸上のスーパーパワー」米国勢の衰退が始まったという点だ。2000シドニー五輪で、米国が陸上で取った金メダルの数は10個だったが、今大会では8個に止まった。
特に、米国が危機感を感じる種目は短距離。「短距離の女王」メリアン・ジョンーズが抜けた女子100mと200mは、共に金メダルを逃した。
不振は米国が誇った男女400mリレーにもつながった。ジャスティン・ガトリンとショーン・クロフォード、モリス・グリーン、コビー・ミラーが出場する米男子チームは、29日に開かれた400mリレーで38秒08をマークしたが、英国(38秒07)に100分の1秒遅れて2連覇に失敗した。英国が同種目で優勝したのは1912年ストックホルム五輪以来92年ぶりだ。
1984年、ロサンゼルス五輪以降4連覇を果たしてきた女子400mリレーでも、バトンタッチのミスでレースを中途放棄し、2000年シドニー五輪に続き2大会連続で頂上征服に失敗した。
米国の相対的な不振の中で輝いたのは「アンバランスなスポーツ強国」と呼ばれた中国の躍進。
中国は28日に開かれた男子110mハードルで、劉翔が世界タイ記録(オリンピック新記録)の12秒91で優勝し、男子の五輪出場史上、初の金メダルを獲得した。今年21歳の劉翔は走り高跳びの選手から110mハードルに切り替え、アジア記録と世界ジュニア記録を塗り替えた後、2003パリ世界選手権大会で3位を占めて世界的な選手へと成長した。
続いて、中国は女子1万mでも邢慧娜が30分24秒36で金メダルを取って、陸上で2個の金メダルを獲得した。中国がオリンピック陸上で金メダルを取ったのは1996年アトランタ五輪女子5000mで優勝した王軍霞以来のことだ。
金尙浩 hyangsan@donga.com