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[オピニオン]曖昧な言い方

Posted July. 30, 2004 22:03,   

한국어

昨日、偶然にある新聞社サイトの「今日の運勢」コーナーに入ってみた。「55年生まれ、気に入らなくても直接的な言い方は避けること」、「67年生まれ、酒席や私的な集まりで言葉使いに気を付けること」。どの席であれ言葉を間違えば 問題になりかねないので注意した方が良いという警告だ。世の中にはこのように言葉に注意するよう勧める警句が多い。ずいぶん前の詩人ハイネの言葉もその中の一つだ。「言葉、それによってお墓で死んでいる者を呼び出すこともでき、生きている者を埋めることもできる。言葉、それによって小人を巨人にすることもでき、巨人を殴りつけて無くすこともできる」。

◆そうした心配のためだったのだろうか。率直で感性的な話術で有名な康錦実(カン・クムシル)前法務長官が分かるような分からないような言い方をして話題になっている。長官離任式の場でのことだ。康前長官はいろいろな話の終わりに、「本当に言いたいことが言えずに離れるのかも知れない」と言って、好奇心を募らせた。自分を押し出した盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に言いたいことがたくさんあると言っているのか、「改革哲学」を理解してくれない政府与党の関係者に遺憾があると言っているのか。

◆話が上手になるためには独りよがりを避け、文句を付けるような言い方をせず、一人ででしゃばってはいけないものだ。そして、何かを話す前に深く考えなければならない。話術専門家たちの同じアドバイスだ。しかし、近ごろ政界で出回っている言葉を見ると、これとはかなり程遠い。このほどのアイデンティティをめぐる与野党の攻防からみれば分かるようにやり取りしている言葉がまことにひどい。まるでどう言えば、相手や相手党を最大限怒らせられるか研究して言っているようだ。

◆そのせいであろう。このごろになっては明確な言葉よりはさっぱり意味が分からなくて、勘ぐらなければならない言葉の方が懐かしくなる。少しは遠回りしているようでも、礼儀正しくて優しい批判、喩えの中でトゲが隠されているかつての先人たちの風刺の言葉が聞きたい。例えば政府与党が自分たちを攻撃する朴槿恵(パク・グンヘ)ハンナラ党代表に康前長官流の応え方をしてみたらどうか。「本当に言いたいことはたくさんあるが、問題がややこしくなるかも知れないのでやめておく」と。言い争いに明け暮れている韓国の政治家に「曖昧な言い方」を習ってみたらどうかと勧めたい夏である。

宋煐彦(ソン・ヨンオン)論説委員 youngeon@donga.com