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さく乳の部屋

Posted July. 26, 2004 22:21,   

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最近、企業や官公署で「母乳さく乳空間」を設置したり、公共の場所に女性が赤ん坊に母乳を与えることができる空間を作るなど、韓国で母乳育児ムードが広がっている。特に、高速道路のサービスエリアに、授乳空間が相次いででき、近頃のような夏休みシーズンに赤ん坊に母乳を与えることが、ひと際楽になった。

国連児童寄金(ユニセフ)韓国委員会の李ウンミ母乳育児チーム長は、世界母乳育児行動連盟(WABA)が定めた第12回世界母乳育児週間(8月1〜7日)を迎え、「乳児に母乳を与える母親が、先進国では80〜90%にのぼるが、韓国はまだ20%以下にとどまっている」とし、「働く女性が、母乳育児できない環境が大きな要因だ」と指摘した。

李チーム長は、「しかし、多くの女性が母乳育児のために、会社のトイレでさく乳しなければならない現実から、最近少しずつ変化の兆しが見えている」と紹介した。

▲変化の動き〓イーランド、韓国IBM、三星(サムスン)などでは、女性職員が母乳をさく乳して赤ん坊に飲ませることができるように休憩所空間をつくっている。

特に、三星電子は昨年春に、女性職員が妊娠や生理痛などで体調がよくない時に休める「母性保護室」を設け、さく乳の空間も別途に設置したうえ、17の建物それぞれにこの施設を作った。三星SDS、三星生命、三星電気などの系列会社でも、相次いでさく乳空間を設置している。

地下鉄の駅構内や高速道路のサービスエリアでも、母乳を授乳できる空間が現れている。今年1月にソウル地下鉄の駅構内のうち、5号線の光化門(クァンファムン)駅と7号線高速ターミナル駅でそれぞれ授乳空間が設けられ、近く7、8ヵ所に追加設置される予定だ。

高速道路のサービスエリアは、昨年4月に京釜(キョンブ)高速道路下り線の安城(アンソン)インターチェンジを筆頭に、西海岸ヘンダムドや、湖南(ホナム)高速道路下り線のチュアム、京釜高速道路上り線の漆谷(チルゴク)、ヤンサン、中部内陸の善山(ソンサン)など、7ヵ所で授乳室が設置された。また、パウダールーム50ヵ所で授乳が可能だ。

また、大韓家族保険福祉協会や保健福祉部、女性部、ソウル市松坡(ソンパ)区役所などでも、母乳授乳室を設けており、空間設置のために準備する所が少なくない。

▲母乳育児のために〓母乳育児のためには、職場で2〜3時間間隔で、乳房が張る度に15〜20分、母乳をさく乳して母乳パックに保管した後、家に持ち帰って冷蔵庫に保管する。手でさく乳した場合、常温で8時間程度保管することができ、さく乳機でさく乳した母乳は、これよりも保管時間が若干短い。

母乳は、冷蔵室では72時間、冷凍室では2ヵ月程度保管できる。冷凍室に保管した母乳は、授乳前日の夜に冷蔵室に移して解凍する。その後レンジでぬるめに温めればいい。生後4週前の乳児には、補乳びんに入れずに、コップやスプーンで与える。

数年前までは、母乳パックと言えば高価な輸入品が全てだったが、最近では滅菌処理されて衛生的で、目盛りもついて便利な使い捨ての国産母乳パックが普及している。一部会社では、さく乳機と母乳パックをセットで売っており、出産記念の贈り物に高い人気だ。

母乳を与える女性が、赤ん坊と昼の時間離れていなければならない場合、夜に一緒に寝ながら、赤ん坊がほしがるままに母乳を与えるのがいい。

多くの女性が、ここまでして母乳を飲ませなければならないのかと言うが、自分の母乳を飲ませて育てた子どもとミルクで育てた子どもでは、健康と知能の発達で大きな差が現れる。母乳を与えることは、教育費を減らしながら、子どもの頭がよくなる方法でもある。赤ん坊が病気にかからないことだけでも、母乳を飲ませる甲斐がある。

「最近、乳がんが急増しているが、乳がんや卵巣がんなどの女性に多い疾患を予防する簡単な方法が、まさに母乳育児である。母乳を与えれば、産後の回復が促進され、乳児だけでなく母親も健康になります」(ソウル大学病院一般外科のノ・ドンヨン教授)



李成柱 stein33@donga.com