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芸術・独立映画は消え去るのか

Posted February. 17, 2004 23:28,   

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水彩画みたいな韓国アニメ『マリ物語』が封切られた時(02年1月)のことだ。あるマルチフレックス劇場の一つのスクリーンで金曜日に封切られた同映画は、その翌日、ハリウッド映画と交代で上映されることになった。それから3日目の日曜日には、劇場側が「観客が入らない」と言う理由で同アニメの上映を中止した。李成疆(イ・ソンガン)監督のこのアニメは世界4大アニメフェスティバルのうち一つであるアヌシー国際アニメフェスティバルで長編部門グランプリを受賞し、世界にその名を鳴り響かせた作品だった。

太陽の光が強いほど陰は暗い。『実尾島(シルミド)』が観客1000万の神話創造を目の前に控えて、『太極旗を翻して』が連日新記録を更新してはいるが、それと同時に韓国映画が解決しなければならない課題も山積している。

17日現在、『太極旗を翻して』(513)と『実尾島』(220)の上映数を合わせれば733だ。全国劇場連合会が明らかにした韓国の総上映数が1241であることを勘案すれば、韓国の上映映画の59%をこの二つの映画が占めていることになる。そのため、小さな映画は劇場を決めることさえ難しい。今月中旬に封切り予定だった『Love Me If You Dare』と『8人の女たち(8Femmes)』などはそれぞれ3月と2月末へと封切りの時期を延期した。

このような状況から、「富益富貧益貧」現象を心配する声も高い。康祐碩(カン・ウソク、『実尾島』監督)と姜帝圭(カン・ジェギュ、『太極旗を翻して』監督)の両カン監督が事実上スクリーンを掌握し、この2人の映画の製作コストやマーケティング費に対抗できない小さな映画と芸術映画は封切りが延期されるか、もしくは封切りさえもできず死蔵される羽目になっている状態だ。

「韓国型ブロックバスターは失敗する」との認識が『実尾島』と『太極旗を翻して』などの成功のお陰で消えたことは幸いだが、これがかえって映画産業を「賭博」のようにするブーメラン效果をもたらすかも知れないという恐れもある。少数の大成功した作品の影響で、投資の流れが1カ所に偏って集中したことから、市場は相対的にもっと不安になり、芸術・独立映画は製作自体が大変になり飢饉現象がもたらされる可能性もある。

それに全ての韓国映画がシャンペンを開けているわけではない。映画振興委員会が最近発行した資料によると、昨年封切りした韓国映画は1本当たり4億3100万ウォンずつ赤字を被り、昨年封切りした65本の中で黒字を出した映画は3分の1に過ぎなかった。

『シュリ』で韓国型ブロックバスターの砲門を開き、1本当たり製作コストが急上昇し、「大規模投資」マーケティングが本格化するなど、映画産業の外形的膨脹にもかかわらず、韓国映画を再生産する内部インフラの構築はまだ初期段階に止まっているためだ。韓国映画の海外マーケティングを担当するミロビジョンのチェ・ヒスン代表は、「産業規模に比べてスタッフの人件費や法律インフラが遥かに低い水準であるうえ、海外市場をリードできる韓国監督や俳優などワールドスター級プレーヤーが足りないことも問題だ」と指摘した。

韓国映画の市場規模に合わせて、俳優ギャランティーのバブルがはじけなければならないという声もある。映画製作社「良い映画」の金ミヒ代表は、「作品を1本するたびに前作の20〜30%ずつギャラを引き上げる根拠もない慣行が韓国映画の製作コストをとんでもなく上げている。このような慣行が続いたら生き残るのは俳優だけで、そうなると限られた韓国市場で製作本数は減少し、投資も萎縮せざるを得ない」と憂慮した。

製作コストの規模が膨らんだことから、製作より資金調達と流通(配給)に重みが置かれようになり、そのため、製作過程に対する投資者たちの干渉がひどくなったことも、韓国映画の発展を妨げる問題点として指摘される。

韓国映画に爆発的反応を見せる最近の韓国観客の好みと「好き嫌い」に疑問を提起する見方もある。映画評論家の金ヨンジン氏は、「『太極旗を翻して』が見せてくれるように『コピー(copy)ハリウッド』(ハリウッド模倣)の自信感の本質に対しても考えてみなければならない時だ」と言い、「『我々がこんなに素晴らしい映画を作れるなんて…』と感激することも、民族主義的ナルシズムから脱せられないでいる証拠かも知れない」と語った。



sjda@donga.com