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[オピニオン]「北朝鮮の10大ニュース」

[オピニオン]「北朝鮮の10大ニュース」

Posted December. 26, 2003 23:51,   

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北朝鮮の公式メディアの代表である労働新聞は、党宣伝扇動部の指示監督を受けて製作される。中央党機関紙だけに、同紙に掲載される論説はすべて金正日(キム・ジョンイル)総書記の承認の下に出されるようになっている。その中には、金委員長が直接筆を執ったり、修正署名したものもあるが、このような論説は、枠を普通の線ではなく、特別に処理して区別されるという。北朝鮮住民が、「敬愛する指導者」の写真が掲載された労働新聞をぞんざいに扱えないという話は冗談ではない。

◆このような労働新聞に、国内外のニュースを伝える自由な言論の姿を期待し難いのは当然だ。年末に国内外のマスコミが先を争って載せる「10大ニュース」も、労働新聞はこれまで扱ったことがない。その代わりに、今年は朝鮮新報が「平壌(ピョンヤン)市民が選んだ03年の10大ニュース」を報じた。朝鮮新報は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が発行する一種の外郭支援メディアだ。外見は客観的で第3者のようだが、北朝鮮の立場と主張を一方的に宣伝するのが実状だ。それだけに同紙が報じた10大ニュースも、「北朝鮮が評価する03年」を考えるのに足るようだ。その10大ニュースを本当に平壌住民が選んだかは極めて疑わしいが。

◆朝鮮新報は、金正日総書記の再任と建国55周年、停戦50年などを10大ニュースに挙げた。今年も内外で困難な試練を経た北朝鮮で、このような内容が10大ニュースというのは、呆れたことだ。米朝核攻防戦や南北交流活性化、対日過去清算要求、万景峰(マンギョンボウ)号運航再開闘争などの項目では自尊心を傷つけずに、外部支援を望む本音が読みとれる。この他に挙げた最高人民会議代議員選挙、人民生活公債の発行、平壌の補修・改建などは、韓国国民なら10大ニュースの隅にも入れない事案だ。

◆朝鮮新報のような親北メディアが10大ニュースを選定したことに対して、「金正日レポート」の著者孫グァンジュ氏は、「一種のショー」と一蹴した。実際は違うのに、自分たちは変化しているということを外の世界に宣伝するための術策というのだ。8月の最高人民会議代議員選挙の際、異例に金委員長が投票する写真をマスコミに出したのも、同じ脈絡だと孫氏は説明した。労働新聞が10大ニュースらしい10大ニュースを報道する日はいつ来るのだろう。例えば、核完全放棄と国際査察の受け入れ、集団営農から個人営農への大転換、小企業の自由な活動の全面保障などのようなビッグニュースである。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com