Go to contents

[オピニオン]チケットダバン

Posted November. 25, 2003 23:28,   

한국어

駐韓台湾代表部の、ある外交官が先日「年に1、2度は韓国を訪れたい」と言い残して、台湾に帰って行った。ソウルに4年間駐在して好きになった北漢山(ブッカンサン)と、韓国の伝統的な蒸し風呂であるチムジルバン(房)に来るためだという。氏は「家内も山登りとチムジルバンが好きなので、十中八九は夫婦同伴で来ることになるはず」だと語った。台湾では経験できないソウル周辺の名山とチムジルバンが、この夫婦を虜にしたのだ。雪を頂いた白雲台(べグンデ)の上で肩組をして写した写真を見るたび、流暢な韓国語で「台湾から来た朝鮮族」だと言っては、韓国人を驚かせたあの人を思い出す。

◆ノレバン(カラオケボックス)も、外国人に好まれる韓国の文化スポットのひとつ。この頃は、北漢山で外国人に出会うのと同じくらい、ノレバンで外国人に出会うことに馴れてきた。ある外人は、最新の流行歌を熱唱して、概ねなつメロで満足するのが落ちの、中年の韓国人を縮こませてしまう。爆弾酒で外人を感動させることもできるが、ノレバンでつくられる友情には及ばないようだ。PCバン(インターネットカフェ)も、外人を驚かせる韓国的な現象といえる。全国津々浦々にPCバンが設けられるほどの国だけに、ソウル市が、世界100都市の電子政府(e—Government)評価で最優秀都市に選ばれたという先日のニュースは、なにも驚くほどのことではないはず。

◆韓国のユニークな生活文化が、外国人に自慢できるほどの肯定的なものばかりだとすれば、どんなに嬉しいだろうか。不幸にも、現実はそうではないのだ。外国では見たことも、聞いたこともないような「韓国型モンスター」の一つが、チケットダバン(喫茶)である。青少年保護委員会(青保委)の発表によると、少なくとも3万3000人の未成年者が、チケットダバンで働いていると推定している。本来の政府なら、国を挙げて「チケットダバンとの戦争」を宣布してでも青少年を救って当り前だ。のんびりと統計数字など発表しているような時ではないのだ。いつまでも実態調査をしたところで、チケットダバンの未成年者雇用の割合は、少しも減っていない。

◆2ヵ月前には、肝臓癌を患っている父親の治療費を稼ぐため、金もうけに乗り出した10代の姉妹がチケットダバンで売春を強いられた末、解放されたニュースが報じられ、視聴者の胸を痛めた。ところが、それっきりなのだ。悲しいニュースに涙して、政府の無対策に憤る国民は多いものの、チケットダバンは依然として繁盛している。今回の青保委の発表も、発表で終わるのではと懸念される。青保委が、チケットダバンの業主および青少年売春斡旋業者の詳しい住所と写真を公開する案を考慮しているという。どうか、成果があることを祈りたい。もしかしたら、チムジルバンとノレバンに魅了されて韓国の文化を礼賛する外国人より、チケットダバンのような低俗文化に後ろ指を差す外国人の方が多いのではないだろうか。

方炯南(バン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com