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10代青少年たちの間で格闘技ブーム

Posted September. 24, 2003 23:22,   

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先月末、釜山(プサン)中学3年生のA君(15)は病院の救急室に運ばれた。お昼時間に隣のクラスのB君と格闘技の試合をしていて鼻の骨が折れたためだ。

A君はB君を相手にブラジルの格闘技選手バンダレイ・シルバーの得意ワザである膝打ち(首を両腕で押さえて膝であごを打つ技術)を駆使、これに怒ったB君はタイの格闘技「ムエタイ」の典型的な技術、ひじ打ちで対応した。B君の肘は正確にA君の鼻に当たった。肘で打つのはムエタイと米UFC(Ultimate Fighting Championship)などだけで使っている危ないワザだ。

四角いリングの中で血を流しながら戦う格闘技が、青少年たちの間で人気を集めている。

青少年たちは格闘技を真似して負傷するどころか、インターネットでは「このように打てば相手にさらに大きな衝撃を与える」というテーマで青少年たちが言い争っている。最も残酷な「無規則格闘技」は19歳以上だけが見ることの出来る番組だが、週末の昼にテレビで流されるなど、感受性の豊かな青少年たちは格闘技の暴力性にさらされている。

▲プロ選手並みの暴力性〓釜山D中学生の金君(15)は「昔のけんかは軽いものだったが、この頃は生徒たちのけんかにも格闘技の高級ワザが使われ、腕を折ったり靭帯が伸ばしたりして負傷をすることが多い」と話している。

先月、ソウルのある高校でも、崔君(16)が友だちと遊んでいるうちにアンバ(腕を曲げる技術の一種)攻撃にやられ、手首の靭帯が伸びた。ソウルS高校1年生の金君(16)は「テレビドラマや芸能人の話より格闘技の話のがもっと人気がある」として「血を流す格闘技の試合を見ているとストレスが解消されるのはもちろん、自分もああやってみたい気持ちになる」と述べた。

▲無分別なテレビ放送〓格闘技とは、異なる武術を鍛えてきた選手たちが、特別な規則なしに誰が最も強いかを競うスポーツ。このなかで「無規則格闘技」は、噛んだり目をさしたりの他は全てワザと認めるスポーツで、いわば「街角でのけんか」に等しいものだ

今年初めからSKY−KBSがケーブルと衛星チャンネルを通じて日本の格闘技大会のPRIDEやUFC(19歳以上観覧可)を流している。同番組が大きく人気を集めるとSPRIT−MC、ネオファイトなどの格闘技大会が相次ぎ、ケーブルと衛星スポーツチャンネルではこれらの大会を週末の昼に堂々と放送している。SKY−KBSはネオファイトの試合を今年チュソク(旧暦のお盆)の昼に放送して家族とともにテレビを見ていた視聴者たちが大慌てしたこともある。

誠信(ソンシン)女子大学心理学科の蔡奎滿(チェ・ギュマン)教授は「残酷なスポーツを青少年たちがそのまま見ているのが問題だ。模倣心理の強い青少年期には攻撃性と暴力性が高まる可能性があるため、各家庭で親たちが指導する必要がある」と指摘した。



金善宇 sublime@donga.com