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[社説]鄭会長の悲劇と南北経済協力の道

[社説]鄭会長の悲劇と南北経済協力の道

Posted August. 04, 2003 22:04,   

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現代峨山の鄭夢憲(チョン・モンホン)会長の自殺は、「個人の悲劇」にとどまらない。国家レベルの南北交流に主導的に介入し、それによって長期間の取り調べを受けた人物の死を、個人レベルの不幸として見過ごすことはできない。鄭会長が死を選んだ理由は明確になっていないが、対北朝鮮送金疑惑捜査による心理的な圧迫が少なからぬ影響を及ぼしたと推定することは難くない。故人に迫った不幸は残念だが、個人的な悲劇に埋もれることなく、死の遠因まで究明して対策をたてることが残された課題だ。

功罪を問う前に、鄭会長は南北交流の拡大のために尽くした代表的実業家だった。夢憲氏が父親である故鄭周永(チョン・ジュヨン)名誉会長の後を継いで推進した対北朝鮮事業が、相当部分南北和解に寄与したことも事実だ。夢憲氏の対北事業には、利益を追求する実業家の考えだけではなく、韓半島の平和定着に貢献しようという切実な願いが込められていた。「遺骨を金剛山(クムガンサン)にまいてほしい」という願いを込めた遺書にも、南北経済協力の成功を望む執念がにじんでいる。

しかし、現代が主導した対北事業は、結果的に企業の総帥が自ら命を断つ悲劇につながった。南北交流が正常に出発して透明に進行されていたなら、特別検査チームが構成されて、南北首脳会談の暗い裏面を暴く必要もなく、「150億ウォン+α」疑惑の究明のために、検察が出る理由もなかったはずだ。代表的な南北経済協力事業である金剛山観光と開城(ケソン)工業団地建設の意味が、多くの国民にそっぽを向かれるほど色あせることもなかっただろう。鄭会長の自殺は、南北経済協力の問題点と限界を克明に示している。

遅きに失した感はあるが、南北経済協力は正常に戻さなければならない。すべての対北朝鮮事業の妥当性を見直し、誤りが明るみになれば果敢に正さなければならない。実定法に反する「罪人」を量産して、実業家が命を断つような誤った南北経済協力をなぜ、誰のために続けなければならないのか。

にもかかわらず政府は、南北経済協力事業が揺ぎなく持続するよう、積極的に努力していくとしている。どろ縄にならないようにという姿勢にみえ、残念だ。政府はまず、実業家を利用して南北対話の扉を開いたが、問題が発生するや責任を転嫁し、鄭会長の悲劇が発生したのではないか点検すべきである。南北経済協力の後遺症で韓国国民が被害を受けるようになれば、平和繁栄政策の精神にも反するのではないだろうか。