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[社説]特検捜査の延長、何を恐れるのか

[社説]特検捜査の延長、何を恐れるのか

Posted June. 22, 2003 21:52,   

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盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が22日、北朝鮮への不法送金事件と関連した特別検事(特検)による捜査期間延長要請に対し、拒否する考えを示唆するような発言をして、注目されている。前日、宋斗煥(ソン・ドゥファン)特別検事と康錦実(カン・グムシル)法務部長官の両人が「この事件の捜査は、特検による解決が正しい」として、唯一の正解を示しているが、盧大統領が選択を誤るのではないかと懸念される。盧大統領は何を恐れているのだろう。対北朝鮮関係の悪化か、それとも民主党の圧力なのか。

いずれの場合も当を得ていない。捜査の対象は対北朝鮮関係ではなく北朝鮮への不法送金問題であり、不正疑惑の捜査は北朝鮮が関与できない国内問題だからだ。いまさら特検を取り止めたとしても、それだけで北朝鮮との関係改善に画期的な転機が訪れるとは思えない。さらに、民主党は初めから特検法の導入を反対していたが、盧大統領が特検法を受け入れたのは、国家指導者としての超党派的な決断であった。事実上、これを覆すことになる特検中止は、一介の政派指導者へと自らの立地を縮めてしまうことを意味する。

盧大統領が恐れるべきものはほかにある。国民の不信と、法と原則の屈折である。政治的に意見が鋭く対立している疑惑の真相解明は、捜査の主体に対する国民の信頼が何より重要である。そうしてはじめて、国民が捜査結果を信頼するようになり、疑惑も収まる。それが特検制度の存在理由である。与党の一部の主張どおり、特検を途中で取り止めて検察に捜査権を引き渡すことは、国民の不信感をますます募らせるだけの愚行にすぎない。

それは、捜査期間の延長を要請した特検や、当初捜査を留保した検察のどちらに対しても恥をかかせることになる。このように、政治状況によって捜査主体が変わるようでは、盧大統領が常々強調してきた法と原則は、再び腰砕けとならざるをえない。さらに、盧大統領が国政に令を設けることも難しくなるだろう。今後、政治的に利害が絡むほかの事件に対する捜査もまた、政治論理によって踊らされる可能性が強い。

盧大統領の昨日の発言は、苦悩の一端を覗かせたものとして受け止めたい。盧大統領の賢明かつ合理的な選択を期待したい。