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福祉部が迷子の身元情報を公開…焦げ付く親心

福祉部が迷子の身元情報を公開…焦げ付く親心

Posted June. 05, 2003 22:17,   

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「うちのトヨンちゃんを何とか探さないと、今度も駄目だったらどうしよう…」

全国児童保護施設に保護されている無縁故児童3885人の身元情報カードの閲覧が始まった5日の午後2時、ソウル中区武橋洞(チュング・ムギョドン)にある韓国福祉財団の会議室。

この日、休暇を作って朝一で慶尚南道馬山市(キョンサンナムド・マサンシ)から駆けつけた金サムモク(51)、朴インスク(42)さん夫婦は、震える手で子どもたちの写真付のカードに見入っていた。

金さん夫婦が息子のトヨン君(19・精神障害1級)をなくしたのは01年1月29日のこと。

当時、塾の先生たちと一緒に慶州(キョンジュ)に旅行に行ったトヨン君は、先生たちが一瞬、目をそらしている間にいなくなった。

自分の名も知らない息子がいなくなってから、目の前が真っ暗になったと言う金さんは「生きていくことが、こんなにも苦しいこととは…」と目頭を赤くした。

今回、保健福祉部が全国の認可および未認可の児童保護施設に保護されている無縁故児童の身元情報を集めて、公開した。昨年12月、警察庁が800人あまりの児童身元カードを閲覧できる機会を設けており、今回が2度目だ。しかし、残念ながらも警察庁のケースでは、子どもを探せた父母は一人もいなかった。

この日、失踪子女の父母たちが福祉財団の狭い事務室を埋め尽くした。

6年前、娘のユジョン(9)ちゃんが迷子になったピョン・ヨンホ(47・忠清南道燕ギ郡)さんは、「顔立ちがだいぶ変わっているはずだけど」と戸惑いながら、ユジョンちゃんと同年ぐらいの女児の写真に見入っていた。

共稼ぎをしているピョンさん夫婦としては、二人目の子どものユジョンちゃんを全羅南道霊岩郡(チョルラナムド・ヨンアムグン)の両親に預けるしかなかった。

97年4月5日、お祖母さんが家を留守にしたつかの間、部屋で昼寝をしていたユジョンがいなくなったという。

その後、ピョンさんは、全国の保護施設に手紙と写真を送る一方、すべての高速道路サービスエリアを直接回りながらビラを貼ったりした。お祖母さんはショックと罪責感で気が弱くなり、憂うつ病に悩まされている。

89年5月18日、生後8ヵ月の娘、韓(ハン)ソヨンちゃんと別れ別れになった李ジャウ(44・女・京畿道水原市)さんは、この日、児童カードを見ながら終始ハンカチでこぼれる涙を拭いていた。

ソヨンちゃんは、当時、李さんが台所に入ったつかの間、慶尚道(キョンサンド)なまりを使う30代初めの女性に誘拐された。

その後、心臓病にかかった李さんは、「もしかして」という気がして水原市を離れられずにいる。

この日、事務室の一角で父母たちとともにカードを見ていた「全国迷子失踪家族探し市民の会」の羅(ナ)ジュボン代表(49)は、「精神病院や障害児童施設などには行方不明として届けられた子どもたちが大勢いるとみられているが、アクセス自体が不可能です。縁故のない子どもたちの身元公開を義務付ける方向で政府レベルで法案を作り、迷子探しの専従部署を設置すべきです」と話した。

児童身元カードの閲覧は、福祉財団の事務室(02−777−0182)を訪問すれば、いつでもできる。福祉財団側は、無縁故児童の身元情報把握作業を引き続き行う一方で、今回公開された資料をインターネットでも閲覧できるようにする予定だ。



孫曉林 aryssong@donga.com