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[オピニオン]フリーター(Freeter)

[オピニオン]フリーター(Freeter)

Posted May. 14, 2003 22:31,   

한국어

新造語に天賦の才能を持つ日本人が作り出した言葉の中で「フリーター」というのがある。英語のフリー(free)とドイツ語の勤労者(arbeiter)を結び付けて作った多国籍の単語だ。正規職に就かずにあれこれしながら適当に暮らす35歳未満の若者たちを指す言葉だ。産業戦士の親が汗水たらして建てた家にのうのうとあぐらをかいて大した苦労もせずに稼いだ金で豪華な趣味生活を楽しむのが彼らの生き方だ。大学まで出ていながらアルバイトでトラックの配達仕事をするサウライ・ケイスケという青年は、ガールフレンドと遊びたい時は会社に無断で休む。「それがフリーターの長所だ」というのがニューヨーク・タイムズ紙が報じた彼の言葉である。

◆大卒4人に1人、およそ200万〜300万人と推定されるフリーターは、日本の長い不況が生み出したフランケンシュタインだ。青年失業率が10.7%にも上り、就職も至難の技だが、会社に忠誠を尽くしても、リストラ、早期退職、黄昏離婚のつけしか返ってこないということを、親を通してすでに目にしているのだ。敢えてあくせくしながら人生を送る理由がないのだ。若者の5人に2人はサラリーマンになりたくないと答え、5人に4人は自分から辞表を出したという日本厚生労働省の統計もこれを裏付けている。将来について悩みもしない。子供に甘い両親のすねでもかじって、後で遺産でも残してもらえば儲けものだと思っている。称してパラサイト族(寄生族、parasite族)。

◆グローバル化の影響なのか、韓国にもフリーターが上陸したらしい。採用情報会社のジョブ・リンクが求職者3156人を調査した結果、現在正規職に就職する代わりにアルバイトで暮しをたてている若者が31%だった。厳しい就職難を避けようとして、との理由が55%と最も多かったが、「自由な時間作りのために」「画一的な組織文化がいやで」「会社でのストレスがいやで」という答えも41%もあった。就職できず仕方なくフリーターになった場合が多いが、本人の希望で正規職に就かない人も少なくないという。

◆当事者はそれで楽かも知れないが、まじめに生きてきた既成世代にとっては煮え切らない思いだ。とりわけ、高齢社会の日本では老人人口が増えつつあるのに、青年が一所懸命に働いて老人の年金をまかなわず両親のすねをかじっている。きちんとした職もないので結婚もしようとせず、人口問題にも非常ベルが鳴った。甘えてばかりで問題を克服しようとする覇気がなく怠惰な世代になったと嘆く声が高い。問題はこうした日本の事情が対岸の火事ではないということだ。韓国でも青年失業を減らす特別の方策が打ち出されない限り、若い世代は働く喜びを知らないまま、将来の希望もないまま、フリーター天国になるかもしれない。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com