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[オピニオン]パクテブ

Posted April. 04, 2003 22:38,   

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1980年、3人の科学者が米国カリフォルニアに「アムジェン(Amgen)」というベンチャー企業を起こした。その後10年間、この会社はもっぱら研究に専念した。当然、売上げはゼロだった。初の製品は89年に出た貧血治療剤の「エフォゲン」。続いて抗癌補助剤「ニューフォゲン」を発売した。たった2製品でアムジェンは、短期間で世界1のバイオ企業に成長した。昨年は世界3位のバイオ企業であるイミュネクスを110億ドル(約13兆7000億ウォン)で買収した。買収の直前、時価総額は595億ドル(約74兆ウォン)、年間税後純益は10億ドル(約1兆2500億ウォン)を超えた。製品2つで世界的な企業として成長したアムジェンの歴史は、新薬の経済的な爆発力を示す最たる例だ。

◆米製薬協会によると、新薬1つを開発するためには平均10年、研究開発費8億ドルがかかる。あまりにも多くの費用がかかるため、世界的な多国籍製薬会社も共同で開発したり、新薬候補物質を持っている企業を買収合併する戦略をとる。新物質を開発しても動物実験を経てから人間を対象にした1、2、3回の臨床実験を通過し、新薬になる確立は5000〜1万分の1に過ぎない。しかし、いったん開発に成功すれば、かえってくる報償は天文学的だ。新薬1つは最小50億ドルの世界市場を形成するという。このため、新薬は高付加価値産業の花と呼ばれる。

◆韓国は製薬の歴史が100年だと言われるが、新薬の開発は87年物質特許制が導入されてから始まった。国内初の新薬は、99年SKケミカルが開発した抗がん剤「サンフラジュ」で、1回分で50万ウォンもしていた輸入抗がん剤に代わり、年間80億ウォンの輸入代替効果をあげた。その後相次いで開発が行われ、これまで8つの新薬ができた。しかし、国内用に限られて、外国では販売できなかった。製薬会社が零細であるため、海外で臨床を経て販売許可を受けるまでかかる莫大なコストは、大きな負担にならざるを得ないのだ。

◆LG生命工学が開発した第4世代キノロン系抗生剤「パクテブ」が、米食品医薬局(FDA)の承認を受けるだろうという朗報が伝わっている。これで、他国の話としか考えられなかった世界的な新薬をはじめて持つことになったのだ。開発が大変難しいだげに、FDAに登録した新薬を保有した国は9カ国に過ぎない。韓国は10番目の国になるわけだ。予想通りFDAに承認されれば、LGはこの薬一つで年間5000億ウォンの売上げと800億ウォンの純利益が見込まれる。90年、開発に取り組み始め、途中でチーム長が癌で死亡するなど、大きな難関を乗り越えて12年で韓国製薬史に道しるべをつけた開発チームに拍手を送りたい。

金尚永(キム・サンヨン)論説委員 youngkim@donga.com