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[社説]特別検事候補、果たして適任者なのか

[社説]特別検事候補、果たして適任者なのか

Posted March. 25, 2003 22:45,   

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組織と情報はもちろん、経験とテクニックを備えた検察を排除して特別検事(特検)に捜査を任せる理由は明らかだ。多くの国民の関心を集めている疑惑事件の真相究明のために、特別に捜査の公正さと客観性を期するためだ。当然、特検は事件関係者との関連やよしみはもちろん、利害関係にまったく問題のない中立的な人物でなければならない。

その点で、韓国弁護士協会(弁協)が対北朝鮮秘密送金事件の特検候補に推薦した2人の弁護士は、法曹人としての実力や信望とは関係無しに、その適格性に問題がある。事件当時、1人は送金の窓口の役割をした現代(ヒョンデ)商船のメイン債権銀行である外換銀行の社外取締役で、もう一人は、現代証券の社外取締役だっただけに、彼らが私心なく捜査を行ったとしても、国民がその結果を信じない可能性があるからだ。

そのうち1人はさらに重大な欠格理由がある。調査対象になることも有り得る金大中(キム・デジュン)前大統領夫人の甥と、同じ法律事務所に勤務しているということだ。この事件は、昨年末の大統領選でも争点になるほど政治色が強いのに、こうした人選をした腹を疑われても仕方ない。

政府、大手企業、銀行に北朝鮮まで絡んだ複雑な事件だが、過去の特検とは違って、白紙の状態で捜査を始めなければならない。その大変さを意識して、だれも彼もが同事件への特検を固辞したために人選に苦心した弁協の悩みを理解できないわけではない。だが、法曹人のリストだけ見ても確認できる社外取締役の経歴を見過ごしたというのは、理解し難い。もし知っていながらも無視したとすれば、現実感覚に異常があるとしか言えない。

弁協は依然、「重要なのは資質と人柄だ」として、候補推薦を撤回しないとの立場を見せているが、そもそも特検制の趣旨に反する今回の人選は弁協の威信に対し、傷になりかねないので再考すべきだ。でなければ、推薦を受けた2人の弁護士が訴訟法上の回避制度精神にしたがって自ら辞退することを望む。そうしなければ、弁協が「免罪符的な特検」を見て見ぬ振りをしているのではないかという疑惑を、呼び起こしかねない。今のままでは、特検が果たして必要であるのかも疑問に感じてくる。