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[社説]地下鉄大惨事、防ぐことはできなかっただろうか。

[社説]地下鉄大惨事、防ぐことはできなかっただろうか。

Posted February. 18, 2003 22:59,   

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精神的にも、身体的にも障害のある人が犯した不慮の災難だったとはいえ、引火性物質の入った瓶一つに、これほど多くの死傷者が出るくらい、地下鉄は事故に弱かった。

95年、オウム真理教信者が東京の地下鉄に猛毒サリンをまき、12人の死者、5500人の負傷者を出した事故を思い出させる。しかし、大邱の事故は毒ガスや爆弾でもない、引火性物質が原因で起きた火災であるにもかかわらず、地下鉄サリン事件よりもはるかに多くの死者が出ており、惨澹たる思いがする。

それも朝の通勤時間が過ぎたからよかったものの、大勢の人で混雑するラッシュ・アワーだったらどうなっていたかと思うと、想像するだけで恐ろしい。地下鉄に乗るのも怖くなりそうだ。火災の発生から3時間経っても有毒ガスや煙で現場に近づけず消火作業や負傷者の救助が容易でなかったため、死傷者がさらに増えたという。大勢の人が利用する地下鉄駅に、有毒ガス排出口や緊急救助システムが設けられ作動していたなら、これほど被害は大きくなかったかもしれない。

聖水(ソンス)大橋、三豊(サムプン)デパートの崩壊が、開発経済時代の初期に建設されたハードウェアの欠陥を示しているなら、大邱地下鉄の事故は、大型施設安全管理のソフトウェアの欠陥を露にしたと言える。外形上は立派なビルや施設を建てる技術を持っているが、緊急状況での人命救助と関連したソフトウェアは、依然として後進国の水準に止まっている。

日本の地下鉄サリン事件以降、韓国でも地下鉄駅やバスターミナルなど公共交通機関や、映画館、デパートなど多くの人が利用する施設に除毒剤を配備し、化学生物テロ防止組織を編成するなど、大騒ぎしたのがまるで昨日のことのようだ。韓国人は、鍋のようにすぐに熱くなり、すぐに冷める気質を直せず、その時が過ぎてしまうとすぐに忘れてしまう。そのため、大惨事が繰り返し発生している。

大邱地下鉄放火火災事件は、世界でテロなど不特定多数を狙った犯罪との戦いが行われている時点で、韓国の弱点を如実に露呈した結果となった。偶発的な災難に、何の手も打てずに死者が増え続けるシステムを目の当たりにして、悲しみとともに深い恥を感じる。