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映画に義侠ブーム

Posted January. 12, 2003 22:41,   

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「義侠」が映画にやってくる。

テレビドラマ「野人時代(日本の植民地時代の独立軍将軍の息子に生まれ、ヤクザでありながらプライドを貫き社会の弱者を助けたことで知られる金斗漢氏の物語)」が巻き起こした「義侠」ブームが、今年は映画に移るのだろうか。つい最近まで流行っていた「暴力団コメディー」は一気に冷めた一方、歴史上実在の義侠を題材にした映画は多数計画されている。

◆復活する「義侠」

金テギュン監督の映画「朝鮮のヤクザ」はシラソニ(本名、李ソンスン)の青年時代を描く。シラソニという名前が付けられる前の20代初めのころ、中国で李サンデという人物に出会い、経験したことを虚構で描く。中国に撮影セットを作っており、3月末撮影に入る。今年秋に封切られる予定だ。

世界の有名なヤクザを次々と倒し、「極真空手」を普及した在日コリアンの崔(チェ)ベダル(本名、崔ヨンウィ=日本名、大山培達)の人生を描く「風のファイター」(監督ヤン・ユンホ)は、主人公の歌手ピが日本での冬季訓練に参加し、来月から撮影が始まる。

チョン・チョシン監督の「明洞シン・サンサ」は金斗漢(キム・ドゥハン)が引退した後、1960年代にソウル明洞(ミョンドン)を手に入れたヤクザ、シン・サンサの生涯を描く。主人公のシン・サンサは金相中(キム・サンジュン)が演じる。今年夏の封切りを目標にしている。

在日コリアンで、日本植民地時代の伝説的プロレスラーの力道山(本名、金信洛)を題材にしたソン・ヘソン監督の映画「力道山」は韓日共同で制作される。英雄物語の上記の3本とは違って「力道山」は「スカーフェース」のように卑劣な街で奮闘する反英雄のヒューマンドラマ。

◆なぜ「義侠」なのか。

チョン・チョシン監督は「明洞シン・サンサ」の演出の依頼が入った時、暴力団コメディーに設定されていたコンセプトを正統派義侠映画に変更したという。

チョン監督は「ここ数年、暴力を題材にした映画と言えば暴力団コメディーがほとんどだったが、もう観客もあきている。これに対する反作用から義侠ブームが起こったのも事実だが、義侠は映画の不滅のテーマである暴力や愛をドラマチックに描けるジャンルだ。ドラマ「野人時代」のようにロマン義侠、正統派義侠、かっこいい男のストーリーが一世のブームになるだろう」と語った。

漫画家の房学基(パン・ハクキ)氏は「風のファイター」(崔ベダル)、「風の息子」(シラソニ)、「血と花」(力道山)などの作品で、映画の題材となる3人の主人公を描いた経験がある。

房氏は、「ヤクザを『組織的ヤクザ』と『浪漫的ヤクザ』に区分すれば、金斗漢、シラソニは一対一で対決し、男としての美徳を守り抜いた『浪漫的ヤクザ』だ。また、力道山と崔ベダルは『生』より『死』を近くに感じた時代に日本で活躍した在日コリアンだ。人情深かった過去に戻りたい心理やロマンチックな男性に対する大衆の懐かしさも大きくなると思う。義侠映画ブームはこうした心理が反映されたものではないだろうか」と話した。

映画評論家のシム・ヨンソプさんは「大衆文化、特に映画でレトロファッションが目立っており、一世を風びした『義侠』ストーリーは、男性のファンタジーを満たす。中高年の男性も映画館に足を運ぶことになるので興行面でも有利だ」と話した。



金熹暻 susanna@donga.com