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「ソウルと東京、見た目は同じだが中身は違う」

「ソウルと東京、見た目は同じだが中身は違う」

Posted May. 25, 2002 11:05,   

한국어

日本人女優の黒田福美(39、写真)が韓国に関心をもつようになったのは、20年ほど前のこと。当時日本にとって韓国は「あってもない」国だったという。近いが誰も関心をもつ必要や理由がない遠い国だったということだ。

一方韓国は、日本の目覚ましい成長をうらやましく思いながらも、過去に縛られたためか、日本を見る視線に憎悪や敵がい心があったのが事実。

「これまで一部の無分別な日本人観光客が、いわゆる『キーセン・パーティー』といって韓国に押しかけてはカネをばらまき、韓国女性を性のなぐさみものとしていましたね。そんな点で日本の女性たちは、韓国旅行を避けてきたんですよ。でも、今や日本ではブームと言うほど韓国が流行っていて、数日後には韓日サッカー・ワールドカップまで開かれるなんて、本当に信じられません」

流ちょうな韓国語を使いこなす黒田さんは、韓国に対する日本人の固定したイメージが、20年余りで変わるとは思わなかったと興奮する。彼女が今回出版した「サランハムニダ」「ソウルの達人」(チャンへ)には親しみを越えて愛情にまで変わった韓国への情が込められている。「サランハムニダ」は、彼女の自伝的エッセイで、「ソウルの達人」は観光ガイドブックだ。

女優デビュー当時、韓国に関心があるという事実が広まって、韓国関連の専門リポーターになったという彼女は、出演した番組はすべて全力をつくして、知っているすべてのことを出し切ったという。

「オリンピック前は、ソウルは大都市でありながらも、路にはアジアの情緒が溢れていました。古色蒼然たる昔の街が残っていたし、屋台、リヤカーには食べ物がどっさり積んでありましたね。練炭を燃やす匂いこそソウルの匂いといえるでしょう」

しかし黒田さんは、88ソウルオリンピック以降、開発という名のもとに古い家が撤去されて新しいビルが立ち並び、ソウルはどこにでもあるようなただの都市に変わってしまったと残念がる。

なかでも、ソウルタワーは東京タワーを真似たようで、ロッテワールドは東京ディズニーランドを、若者の街新村(シンチョン)は原宿、押鴎亭洞(アプクジョンドン)は麻布一帯と似てきたという。しかし、まだ何かが残っている。見た目は日本の大都市そっくりに変わってしまったソウルの中身を、どうやって魅力的に紹介することができるか。彼女がちゃんとした観光ガイドブックを書こうと思ったきっかけだ。

「仁寺洞(インサドン)で売っている品物は、高速バスターミナルの地下の商店街に行けばもっと安く買えます。文井洞(ムンジョンドン)のアウルレット店は、日本でのほうが有名です。大衆浴場のような韓国の銭湯は、体はもとより心の底まですっきりさせてくれます」

彼女が出版したガイドブックをみると、慣れ切った日常が新鮮に感じられる。いつも身近にあるので、新しいことも珍しいことも見落としがちだが、このように違った「レンズ」で眺めれば、新鮮に感じることができる。約2年の間自ら足を運んで取材し、直接撮った写真が満載の汗の匂いのするような彼女の本は、韓日W杯に迎え、ソウル案内本として一読の価値がありそうだ。



許文明 angelhuh@donga.com