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ドイツ「緑の党」 理想と現実の狹間に揺れる

ドイツ「緑の党」 理想と現実の狹間に揺れる

Posted March. 19, 2002 09:27,   

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米国の同時多発テロ以来、ヨーロッパに吹き荒れている右傾化の風の中で、ドイツの緑の党が17日、武力の使用を盛り込んだ新しい綱領を採択した。

反戦、平和、環境保全を党の基本綱領としてきた緑の党としては、革命的変化と言わざるをえない。同日、ポルトガルで行われた総選挙では、左派から右派へと政権の交代があった。

▲米国の同時多発テロ以降の変化に対応〓緑の党はこの日、ベルリンで党大会を開いてナチスによる大量虐殺などを取り上げ「法治国家と国際法が認める合法化した武力の使用を、常に排除することはできない」とする内容の決議文を採択した。

緑の党を率いるピシャ外相は「今や、緑の党も米国の同時多発テロ以降、世界中で起きている変化に目覚めるときが来た」として「あなたたちに何かを求める主体は、私ではなく現実である」と強調した。

この日、緑の党の決議は、現実と原則の間で長いこと悩んだ末、現実の方を選んだことを意味する。

それは、反戦環境団体としてスタートした政党が、現実の政治に足を踏み入れた瞬間から、予想されていたことかもしれない。

緑の党は、1998年のドイツ総選挙で6.7%の支持率で47議席を勝ち取り、社民党の連立政党パートナーとして、政権のもう一方の主体として「環境運動の現実政治への参入」という宿題を果した、模範的ケースに挙げられている。

実際、緑の党は連立政権に参加する条件として「原子力なきドイツ」を要求し、向う20年間にドイツ内の原発19ヵ所を閉鎖することで合意するなど、反核運動に大きな成果を上げている。

▲支持率下落の中、路線のかっ藤〓ところが、現実の政治は緑の党の「美しき原則」を放っておかなかった。北大西洋条約機構(NATO)廃止論まで主張していた緑の党が99年、NATOによる対ユーゴ空襲の支持を機に、深刻なアイデンティティーの混乱に陥り始めた。

昨年は、ドイツ内での核廃棄物の移動と、米国の同時多発テロ以降、ドイツ軍の海外派遣承認問題をめぐり、党内で深刻な路線かっ藤が生じた。

支持率も落ちた。緑の党の色があせてくると、前回の総選挙で緑の党を支持していた有権者も背を向けた。9月の総選挙では、院内交渉団体の要件となる最低限度の5%を、確保できないかも知れない、との見通しも出ている。



朴濟均 phark@donga.com