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[オピニオン]今、「金剛山支援」をする時か

[オピニオン]今、「金剛山支援」をする時か

Posted January. 25, 2002 09:25,   

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少なくとも金大中(キム・デジュン)大統領の任期まで、金剛山(クムガンサン)観光事業に対する中断不可の意志は変わっていない。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の南北関係改善を忌避する態度もやはり変わらないでいる。金剛山観光事業の活性化に向けた、この時点での観光運営経費の支援、現地免税店の設置などの支援策は国民の世論を分裂させる。包容政策を通じた和解と協力だけが唯一の方法だというコンセンサスにもかかわらず、その手段と方法が正当性を確保できずにいる。

まず、金大中政権は太陽政策推進での金剛山観光事業の象徴性にしたがって、「平和事業」という名分の重要性を考慮して、同事業を持続的に推進しようとしている。だが、これは政経分離の原則に則って政府が介入しないとした当初の立場を完全に覆す決定であり、他の対北朝鮮事業との平衡性問題が提起されている。これまで観光公社の支援で現代峨山(ヒョンデ・アサン)に対する間接支援の形を取ってきたが、今回の措置で特定民間企業の支援という先例を残すことになったとの批判を受けている。困難な状況下でも堅く守ってきた原則を任期末になって破棄するとすれば、むしろ太陽政策の失敗に結びつきかねないということに気づくべきだ。

次に、現代は北朝鮮と交渉を始める際に、採算性は考えに入れないで観光事業を推進し、深刻な資金難を招いた。その後、観光客の減少と北朝鮮との観光活性化構想が滞ったことで、同事業が中断の危機にさらされるようになった。北朝鮮の代価要求を理由に対応策を設けるという発想は、今後の採算性向上にまったく助けにならないだろう。南北協力基金450億ウォンを活用したとしても底無しのつぼに水を入れるようなもので、観光活性化にはなりえない。市場経済の原則に従うべきだとの主張に耳を傾けなければならない。

このため長い目で北朝鮮との交渉を改めてしなおさなければならない。北朝鮮が約束していた観光特区の指定や陸路観光の許可は、北朝鮮軍部の反対などを考慮すれば、早期実現は難しい。昨年、金大中大統領まで乗り出して、金正日(キム・ジョンイル)総書記の答礼訪問と南北関係改善に楽観しすぎたことで、むしろ国民に失望を与えた。今回もまるで観光活性化が達成できて、南北間交流が円滑になると認識させようとするものなら、ふたたび空しさを感じるだけだろう。

北朝鮮が4月末から6月までに一時的に陸路観光を認めると発表したことは、韓国のワールドカップサッカー大会の開催時期に合わせて、平壤(ピョンヤン)でアリラン祝典が開催されるからだ。この期間に宣伝効果の拡大と外貨の獲得をはかろうと言うのがその目的だ。中国人を含めて韓国側の観光客10万人をアリラン祝典に参加させようとする意図であるため、6月以後の陸路観光の持続可能性は不透明だ。北朝鮮はブッシュ米大統領の訪韓に合わせて、金総書記の60歳誕生日の直後に、元駐韓米大使など韓半島専門家らを北朝鮮に招待している。いわゆる迎え火作戦を駆使する北朝鮮の意図にふりまわされかねないとの懸念の声が高まっている。

現政権は、これまで推進してきた対北朝鮮政策をことこまかにまとめて、次期政権にその任務を譲るべきだ。十分な環境作りができていないとすれば、小康状態の維持も適切な対北朝鮮政策でありうる。小康状態がすなわち太陽政策の失敗だという認識も変えるべきだ。どの党が次期政権を握っても方法の違いはあれ、抱擁政策の基調を維持すれば、金総書記も南北関係をあきらめないだろう。

現代と北朝鮮間でどのような裏約束があったかは知らないが、観光特別区域の設置同意でも正式に得た後で、国会の同意を得て南北交流基金を使用するのがしかるべき手順だ。野党の対北朝鮮事業に対する事前承認権と国政監査推進の意志は、次期政権で起りうる対北朝鮮事業に対する聴聞会を予告している。そうした場合の弊害と叱責が念頭にあれば、国を挙げての合意とコンセンサスができていない状況で、独断で支援策を発表して推進することがどれだけ危険な発想なのか、ということに気づくべきだ。

政府は、今回の支援策が単なる応急措置にとどまらず、根本的な治ゆ策になるよう世論をまとめることで合理的な方法を模索し、北朝鮮との交渉に臨むべきだ。金剛山観光事業が持つ象徴性を維持しつつ、採算性を合わせようとする南北間の相互努力が切に求められている。それは北朝鮮の経済活性化のために必要な措置であることを忍耐を持って説得していかなければならない。経済論理を無視したまま、対北朝鮮に与えてばかりいることを一方的に平和のための道だと誤解すれば、これまでの政策失敗を繰り返すだけだ。最初から間違ってはめられたボタンは新しくはめ直すしかないのだ。

安仁海(アン・インヘ)高麗大学国際大学院教授(国際政治)