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[社説]金剛山事業、このままではいけない

[社説]金剛山事業、このままではいけない

Posted January. 24, 2002 09:15,   

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統一部の洪淳瑛(ホン・スンヨン)長官が一昨日自民連を訪問し、「政府は長期的に金剛山(クムガンサン)事業の主体を現代(ヒョンデ)から政府に切り替えることを考慮している」と述べたことは単なる失言ですまされることではない。統一部に続いて、大統領府まで洪長官の言葉に対する「弁明」に汲々しているが、これは現政府がこれから残りの任期期間中に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する政策をどう推進するか、に対する「内心」が含まれているからだと思う。

洪長官はまた、「金剛山観光事業は経済事業として始められたが、もはや政治事業、平和事業に変わったことが事実であり、このため南北協力基金援助も結局は、平和費用を投入するという意味だ」と説明した。だとすれば、政府はこれまで掲げてきた「政経分離の原則」を放棄したことをどう説明するのだろうか。

「平和事業」という論理も、韓国社会の一角での理想論にはなるかも知れないが、南北関係の現実を冷静に踏まえて、民間企業の対北朝鮮事業を管理・監督すべき政府が進んで掲げる論理ではない。端的に言って、民間事業者が最初から無理な契約内容のために支払いができなくなり、雪だるま式に増えている観光代価を、政府が平和事業という名分の下で肩代わりするという意味ではないか。

政府が昨日発表した金剛山観光事業支援対策は、同事業が事実上、「政府」主導に移管されたことを物語っている。このうち、離散家族、生徒、教師などに対する観光経費を補助するという内容にいたっては、政府がもしやすでに、北朝鮮に「この事業を受け持つ」と確約したのではないか、という危ぐの念まで感じるほどだ。これは本来、現代が昨年政府に要請した内容だというが、政府がその時断ったものを今回対策として掲げたこともつじつまが合わない。

ともかく、これで、昨年10月にこれといった成果なしに終わった「金剛山観光活性化に向けた南北当局間会談」で北朝鮮が、「現代の代わりに、韓国政府が滞っている観光代価を支払ってほしい」と要求したとおりに、ことが進んだことになる。政府は国民世論を無視して、自ら背負ったこの「負担」をどうなし終えようとするのか懸念せざるを得ない。

政府はここ数カ月、停滞状態にある南北対話の再開に向けて努力しているが、このような方法では困る。韓国側の自尊心と原則をうち捨てて、北朝鮮が要求するものをすべて叶えることで南北対話が再開されたとしても、それが果たしてどれだけ長く続くのだろうか。

金剛山観光事業をはじめ、すべての南北関係の懸案は理想論ではなく、徹底した現実認識を見据えた上で、戦略戦術のレベルで決定されるべきだ。こうした観点から、政府の今回の処置は非常に間違ったものだと言える。