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[社説]穴あいた治安に国民の不安が募る

[社説]穴あいた治安に国民の不安が募る

Posted December. 24, 2001 08:27,   

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案の定、心配していた凶悪事件が頻発し、各種ゲートで混乱を極めた一年を送りつつ、ただでさえ肩のすくんだ国民は、不安を募らせている。先週、大田(テジョン)で発生した銀行強盗事件は、犯人が拳銃で銀行員を殺して巨額の金を強奪したという点で衝撃的だった。韓国が、遠からず、学校でまでピストル乱射事件が起こる米国のようになるのではないかという心配が先立つ。年末防犯非常令が出され「非常勤務」に入っていた状態で、このような事件が発生するとは、開いた口がふさがらない。そのうえ、銀行強盗の犯人らが使った拳銃が、警察から奪い取ったものである可能性が高く、結果的に警察が「犯行道具」を提供した形となった。こんな状況で、国民がどうやって、警察が心強い民衆の杖であると信じられようか。

国民の生命と財産を保護するのが、国家の最も基本的な任務であり、民生や治安は、警察の最優先課題だ。相次ぐ凶悪事件で明らかになった警察の情けない姿は、最近、公安機関の間で生じたかっとうの影響ではないかと懸念される。ちょうど一ヵ月前までは総帥だった李茂永(イ・ムヨン)前警察庁長が「スージー金殺害隠ぺいねつ造事件」に関与した疑いで逮捕されるや、警察内部から反発の声が上がり、国家情報院や検察など、他の公安機関に対する反発が生じたと伝えられた。警察内のこのような騒々しい雰囲気が、綱紀のゆるみをもたらし、その結果、強盗に何度もやられるという結果をもたらしたのではなかろうか。さらに、新しい庁長の赴任に伴う人事が相次いだことで、みな人事にのみ心を奪われ、民生や治安をなおざりにしているという指摘もただ事ではない。

警察は、今からでも「非常勤務」に突入しなければならない。なかでも今月に入って、強盗の集中標的になっている金融機関に対する防犯活動を大幅に強化しなければならない。大田銀行強盗事件から分かるように、犯人は、犯行対象の移動時間はもとより、犯行場所に防犯カメラがない点など、すべてを熟知したうえで犯行を行なった。反面、警察は、犯罪を防ぐためにそれほどの努力を払わなかった。警察がもう少し注意を払っていたならば、防犯上のスキを見つけて、銀行とともに対策を立てれたことだろう。犯人はち密な準備をする一方、警察は防犯非常令というスローガンだけを唱えていたのだ。

政府が信頼を得るためには、国民が安心して暮らせる環境を作らなければならない。今回の事件をきっかけに、警察はもとより、すべての公職者がこのような責任を果たす決心をしなければならないだろう。