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突然発病する脳血管疾患予防法

Posted January. 07, 2008 07:53,   

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ボクシングのチャンピオンだったチェ・ヨサム選手が臓器を提供し、息を引き取った。彼は試合中に相手の選手から飛んできた強烈なパンチを頭に浴びた後、その衝撃で脳血管が切れて出血し、脳死状態に陥った。

ボクサーではない一般人は、普段頭に強い衝撃を受けることがないので、脳出血を起すことはないだろうと考えるのは、甘い認識だ。ふだん高血圧の兆しがある状態で、口論して突然血圧が上がると、強烈なパンチを食らうほどの大きな衝撃を受ける可能性がある。高血圧や糖尿病がなく、タバコも吸わない若者が、脳梗塞で倒れることもある。

●高血圧は脳出血の主因

脳出血は、激しいけんかをしたり、憤ったり、激しい運動をしたりした際によく発生する。

脳出血が発生すると、頭の中で急に「ビリビリッ」と線が切れたような感覚になる。血管が切れて噴出するのだ。以後、徐々に頭痛が始まるが、ひどい場合は痛みで叫んだり、吐いたりもする。

脳梗塞は、脳血管の疾患(脳中風)のうち、脳出血と同じくらい頻繁に発生する病気で、血管が詰まり、血行不良となるものだ。脳梗塞が発生すると、心臓や血管内にあった血栓(血のかたまり)がはがれ落ち、血管に沿って流れ、脳に行って血管を塞ぐ。血液が供給されなければ、その部分の脳細胞は死んでしまう。このため、突然話すことができなくなったり、一方の手足が麻痺したり、一方の目が見えなくなったりする。

高血圧は、脳出血を起こす最大の原因の一つだ。ちょっと神経を使うと頭が痛くなり、後ろ首が重くなる人は、高血圧を持っている場合が多いため、脳出血の可能性に備えなければならない。

「発作性心房細動」という脈拍異常症状も、高血圧であるほど脳出血を起こす可能性が高い。この症状があれば、普段は血圧が安定していても時々急に、数時間の間に、脈拍が不規則に速くなる。心臓が不規則に脈打つと、心臓内に血栓が形成されやすい。血栓のかけらが心臓から飛び出して血管内を流れ、脳血管に行って血管を塞ぎかねない。

●感覚が鈍くなり、目まいがすれば、脳中風に注意

ほとんどの病気がそうであるように、脳中風も人体にあらかじめ警告を送る。発作性の心房細動は、酒を飲んだ後さらに悪化する。酒を飲めば一般的に血圧が上がり、脈拍が速くなるが、心房細動に悩まされている人が酒を飲むのは病気に追い討ちをかけるも同然だ。

「一過性脳虚血発作」と呼ばれる軽い脳中風の症状も同じだ。普段は平気だが突然一方の手や足の力が抜け、しびれたり感覚が鈍くなったりする。さらに、発音が不明確になり、目まいがして体のバランスが崩れる。一時的に血管がつまって生じる症状だ。

英国の医学専門誌「ランセット」最新号によると、「一過性虚血生発作」の発生した10人のうち1人に、1週間以内に同じ症状が再発している。発作性心房細動も放置すれば、発作がより頻繁に起こり、より長く続くことになる。脳中風の危険もそのぶん高まる。

●「ゴールデンタイム」の治療で脳細胞の損傷を最小化

脳中風の発生後3時間は「ゴールドンタイム」とされるほど重要だ。この時間の間に、できるだけ速く止血した後、脳内にたまった血を取り除かなければならない。脳梗塞は、つまった血管を開通させ、虚血による脳細胞の損傷を最小化しなければならない。

一般的に韓国人は、まずは家庭で民間療法を試みてから病院にいく場合が多い。そのため、治療が手遅れになることもある。

最近保健福祉部が打ち出した「急性期脳中風患者の診療適正性評価結果」によると、3時間以内に病院に着いた患者は脳中風患者全体の48%にすぎない。

患者に薬を飲ませるのは禁物だ。すでに飲みこむ機能を失っているため、薬が気道を塞ぐ恐れがあるからだ。冷水を浴びせかけたり、目を覚ますようにほっぺたを叩いたり、針で指を刺して血を出したりするのも控えるべきだ。

(アドバイス〓チョン・ウヨン盆唐ソウル大付属病院心臓センター教授、ホン・グンシク仁濟大一山白病院神経科教授)



nuk@donga.com