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銃刀だけでは足りない、敵から学べ

Posted December. 22, 2007 05:41,   

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僻地の小国に過ぎなかった英国が、16世紀に入っていきなりスペインの無敵艦隊を打ち破ることができた秘訣は、はたしてなんだったのだろう。あの多くのアフリカやアジアの諸国が西洋列強の前にひざまずいた時、日本はどうしてひとり立ちして、中国やロシアを屈服させ、世界の大国になったのだろう。

この本はこのような質問から始まる。米国の軍事外交専門家である著者は、興味深いことにその答えを戦争から求めている。軍事力を強化して戦争を起こし、その戦争で勝利することで、大国のリストに名を連ねることができたというわけだ。

この程度なら誰でも話せるだろう。しかし著者はさらに一歩進んで、あの戦争でどのようなやり方で勝つことができたのかを探求した。その点が斬新で面白い。本の副題は、「戦争が作り上げた新世界」だ。1588年、エスパニアの無敵艦隊と英国海軍との戦闘。1803年の英国とインドとのマラタ同盟のアサエ戦闘、1905年、ロシアと日本が激突したときの対馬戦闘、1941年の日本の真珠湾攻撃、1945年の米国の東京空襲、1991年の湾岸戦争、2001年のアフガニスタン戦争、2003年のイラク戦争など、16世紀以後、500年間の戦争史を振り返りながら、その勝利の要因を見つけている。

著者は20世紀初頭、日本の勝利の要因をこう分析する。日本が戦争の相手国の軍事や武器のみ受け入れたわけではなく、究極的には思想や文化まで受け入れたためだと。

この言葉は非常に意味深い。軍事戦争で勝利するためには武器や戦争技術のような軍事力よりは、それを支える社会的な土台や人的資源が整えられるべきだという意味だ。これは戦争が銃刀だけの戦いではなく、強力な軍事力がすべての勝利を保証するわけではないという意味だ。ロシアがアフガニスタンで、米国がベトナムで苦戦を強いられたことも、このような流れで理解できる。

時代や場所、相手によっては戦略も変わるべきなのに、それができなかったためだと、著者は分析する。強力な軍事力があったにせよ、パラダイムの変化や自分への革新がなければ、勝利できないというわけだ。数多い戦争の事例を通じてこのような結論を導いたということは興味深い。国家間の戦争の激しいこの時代、我々には多くのことを考えさせる本だ。



kplee@donga.com