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「酷評には気を悪くするが、女優になったのはラッキーなこと」

「酷評には気を悪くするが、女優になったのはラッキーなこと」

Posted December. 11, 2007 03:09,   

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多くの女優と会ったためか今やそうたいした美貌には驚かないが、金テヒは本当にきれいだった。きれいに作られた陶磁器の人形のようだ。その美貌で金テヒは「そっと」笑みを飛ばしてCMの女王となったが、昨年の出演作の『中天』は、彼女にとってはつらい映画へのデビュー作となった。

それから13日、金テヒの2度目の主演映画、『戦い』が公開される。小心な潔癖症患者であるうえ、絶対「ごめん」という言葉を言わないサンミン(ソル・ギョング)と、気難しい性格のジナ(金テヒ)が離婚後に繰り広げる戦いだ。金テヒは、マスカラのにじんだ黒い涙を流しながら叫んだり足けりをしたりするうえ、鉄パイプまで振り回すが「相変わらずきれいだ」といわれた。これは誉め言葉でもあり、その逆でもありうる。

とにかく金テヒは、「より少し負担を持って、より少し欲張りながら」、再び観客の前に立った。

——なりふりかまわぬことを決め込んだのか。

「人々から、自分がなりふりかまわず演技をすることを望まれていることは知っていました。だけどそのために選択したなら、『ひどい役柄のためのひどい演技』となるでしょう。それは違います。実は、自分は醜い姿だったことは全く意識できませんでした。少し醜く映るとしても『整った』きれいな姿だけをお見せしてきたので、それに飽きた方々は嬉しかったかもしれないし、そうでない方々はがっかりするかもしれない」

——ハン・ジスン監督のドラマ、『恋愛時代』は見たことがあるか?監督の特技の繊細な心理描写が、この映画では見当たらないとがっかりする人もいる。

「見たことはあります。『恋愛時代』は静かなドラマであり、主人公たちはお互いに憎むより、子どものために別れただけでしたが、映画の中の二人には憎悪しか残っていません。誰もが『君なしでは、生きていけない』といいますが、『君のせいでだめになった』となった経験もあるでしょう」

——そのような経験があるのか?

「結婚してから、幻想が壊れて汚らしい日常となったという経験をしているわけではないが、すごく愛していた人と別れてから傷跡が大きかった経験はあります。忘れがたかったのですが、時間が経つと忘れることができました。人というものはずる賢いですね。人は変わるものだと思います」

——さまざまな喧嘩のシーンを見せているが、感情的な面で大変だったシーンはどれだったか。

「後半にジナが、『私は離婚したことを後悔したくないし…』といいながら、感情が吹き出るシーン。もっとも気に入っているシーンです」

——監督のねらいどおり、喧嘩も愛だろうか。

「そう思います。本当に相手を憎めば、自分だけがつらい。相手を憎むのはいまだにあるエネルギーをその人に注げているという意味でしょう。注げるエネルギーすら残っていない場合もあります」

——実際、喧嘩するときはどうか。

「腹が立ち悔しいときは、先に涙が出てきて言葉も『どもり』ますが、『自分にマイナスの結果』をもたらしても、それにかまわずに全てを打ち明けるタイプですね」

——子どもの頃は内向的な性格だったと聞いているが。

「子どもの頃は、悲しい映画を見ても泣かなかったし、嬉しくてもそれを表に出さず、笑わなかったです。大学1、2年生の時の友だちでも、私がファンクラブで踊ったり歌うのを見れば、びっくりしますね。それが演技の障害となるような気がして、今は感情を抑えなくなり感情の起伏が少し激しくなりました」

——『中天』で、演技力への酷評が出たとき、どんな気持ちだったか。

「悪い書き込みのなかでも、とんでもないものには怒る気さえしません。しかし、自分で見ても思い当たるものには悔しいし、傷つけられます。当時は、自分の演技のどこが足りないのかよくわからずに傷つけられなかったが、今は分かっています。演技に真心をこめるのが全てではないことも分かりました」

——いつも気になることがある。芸能人にならなかったら、美貌と能力で誉め言葉だけを聞かされながら平凡な人生を送ったはずなのに、芸能人となってスキャンダルに苦しみ、批判も受けたりする。ひょっとしたら後悔してはいないか。

「始める前までは悩みも多かったです。悩んだ末、チャンスを逃せば後悔するような気がして、準備もできていない状態で始めました。『進んでいけば答えが出るだろう』とも思いました。今は、演技をすることになってラッキーだと思います。傷つけられて悔しい思いをするときも多いが、そのような過程を経て他人への理解も深まり、人生がより豊かになったと思います」



yourcat@donga.com