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ユ・ヒヨル、相変わらずトイらしい音楽で6集アルバムを発表

ユ・ヒヨル、相変わらずトイらしい音楽で6集アルバムを発表

Posted November. 29, 2007 03:10,   

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ユ・ヒヨル(写真)のプロジェクトグループ「トイ(Toy)」が6集アルバム「サンキュー(Thank you)」で帰ってきた。5集の「フェルマータ(Fermata)」以後、6年6ヵ月ぶりだ。

まず、6年のブランクは今回のアルバムに対してユ・ヒヨルが感じていた負担の程度を物語る。「使えるだけの全ての音楽的な力量をまとめた傑作」と評価された4集「ナイト・イン・ソウル(Night in Seoul)」に続いて「良い人」「私がボーイフレンドだったら」「素朴だった、幸せだった」などで大衆的な成功を収めた5集まで。自然に次のアルバムにかかる期待は高くなり、これはすべて彼には負担となっただろう。実際、ユ・ヒヨルはアルバムの構想を描いては、録音直前に3〜4回「覆した」と打ち明けた。(昨年、あるインタビューで彼は長いブランクの理由を聞く質問に『何をしたら良いか、私はどんな音楽をしたいのか悩んだ』と答えている。)

結論から言うと、今回の6集は相変わらず「トイらしい」アルバムだ。アルバムのスタート、途中途中に挿入されたピアノの小品曲からやさしい言葉で人の心を魅了する歌詞、思春期の少女の感性を慰める例の感受性まで。トイは変わっていなかった。

トイの「お決まり」のボーカル金ヒョンジュンと金ヨンウの歌は、典型的なトイスタイルの曲だ。前作「良い人」を連想させる金ヒョンジュンの「クリスマスカード」、「我々は愛だったんだろうか」というドラマ「恋愛時代」の台詞からモチーフを得た金ヨンウの「挨拶」も相変わらずだ。整わぬまま低いトーンで歌うユ・ヒヨルの歌声は、「ハッピーエンド」「フランジファニ」を通じて聞くことができる。「トイ」というブランドだけを見てアルバムを買うロイヤルティの高いお客なら、がっかりすることのない曲だ。

しかし、ちょっとだけじっくり聞いてみると、風変わりな試みも垣間見える。ユ・ヒヨルはアルバムの中で最も意外な曲「熱いアンニョン」をタイトル曲に果敢に配置した。典型的な1980年風のニューウェーブサウンドに戻ったこの歌は、以前のタイトル曲だった「あなたが私のそばでしばらく生きていたことを」「相変わらず美しいか」「良い人」とははっきり違う。導入部の強いビートと電子音で満たされた間奏が印象的で、ボーカルは主にインディ系列で活動した李ジヒョンがつとめた。多様なボーカルを適材適所に配置するユ・ヒヨルの能力もまた、今回のアルバムをはるかに豊かにした。チョ・ウォンソン、金ヒョンジュン、ソン・シギョン、金ヨンウ、ユン・サンなど「元年メンバー」からニューフェースの李ギュホ、ユンハ、「ルシードポル」のチョ・ユンソク、「デリースパイス」の金ミンギュまで顔を出した。

何よりファンの好奇心が向けられているのは、れっきとした「生活人」になったユ・ヒヨルの変化ぶりではないだろうか。彼は2005年に2歳年下の同時通訳士と結婚し、昨年娘を産んで父親になった。妻との恋愛時代に、よく旅行したバリの海辺に咲いていた花の名前から持ってきた「フランジファニ」をはじめ、アルバムの随所で彼の「現在」を確認できる。「笑わせてくれる。まだまだ眠そうで腫れている二つの目、伸びている髪の毛、幸せよ。私のくしゃくしゃなシャツを着ている君の姿」(ハッピーエンド)、「初めて買った親指くらいの履き物、胸に抱いて喜んでいたある春の日、誰より幸せそうだったママの顔」(娘に贈る歌)。

音楽評論家のぺ・スンタク氏は、「トイの音楽的な成就は、いつも、エレクトロニック、テクノ、ボサノバ、ジャズなどを、どれほど自分のスタイルにアレンジしたかにかかっている」とし、「今回の6集もまた、様々なジャンルをうまく融合させたウェルメードアルバム」と評した。



salthj@donga.com