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しっかり食べることがダイエット

Posted November. 10, 2007 07:50,   

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食欲と性欲。人類に科された2つの足かせには終りがない。いや、ますます堅固になる。貪欲による病弊があふれても、たとえ新しい代替物が発明されても、簡単に解くことはできない。

しかし、解決策は脱出ではない。「避けられないのなら楽しめ」。より幸せな、より良い方法を探せばいい。『あなたの人生を変える12の食の真実』は、健全な耽溺への体系的なアプローチだ。

「食欲は、生物学的進化の産物にすぎない。食を何重にも取り囲んでいる混沌と恐怖を取り払い、食が持つ肯定的な潜在力を理解すれば、あなたの人生を変えることができる」

著者ジル・フラートン・スミスは、英BBCの科学ドキュメンタリー制作者で、同書の内容は2月にBBCで放映された。著者はまず、食に対する科学と大衆の交差する点に触れる。例えばこうだ。最近、食への最高の関心事のひとつである「スマートになる方法」という話題を投じる。その次に、ダイエットと満腹感に関する俗説と質問を一つ一つ解き明かす。その方式は科学的実験だ。そして、どんなメニューが、どんな料理がいいかを推薦する。

結論から知りたいという読者には、同書は刺激的でない。食物繊維が体にいいということは、子どもでも知っている。朝食が子どもの脳活動を活発にするという話は、テレビ番組でもよく言われている。カキやブドウ酒、青魚もそうだ。

しかし同書は、その裏面と実状を科学的実験を通じて解き明かしたリポートだ。この実験には、世界各国の専門家約50人と一般人約500人が参加した。第1章「健康になる方法」を見てみよう。人間の体内には100兆もの細菌が存在する。重さはわずか1キロ程度だが、これらのお陰で、人間の生命は維持される。予想とは違って、食物繊維は体が吸収できない炭水化物だ。しかし、食物繊維は細菌にえさを供給する。ただ体にいいのではなく、「なぜ」食物繊維を採らなければならないのかを説明してくれる。

既存の俗説を覆す研究結果も豊富だ。現代人が好む毒素除去プログラムは何の效果もない。むしろ「天然抗がん剤」のブロッコリーが役に立つ。ダイエットで避けられる牛乳やチーズはカルシウムが豊富で、適切に採ればむしろダイエットに効果的だ。

多くの人は、1日に水を2リットル飲む必要はない。本当の精力の宝庫は、カサノバのカキではなく韓国の「ニンニク」だ。

むろん、同書が科学に基づいているからといって、万能の魔法ではない。食が人間の体にどのように作用するかを語るのが全てだ。若さと美貌を維持したければ、子どもにしっかり食べさせたければ、この程度は知っておこうという程度である。大袈裟ではなくストレートに、人間と食の関係を振り返える。確かに、魔法の呪文は誰もが知っている。「適当にバランスよく食べ、毎日運動する」。問題は知識ではなく悟りだ。原題『The Truth about food』(2007年)。



ray@donga.com