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「昔のヒット曲は過去の歌、今こそ歌手として第一歩を」

「昔のヒット曲は過去の歌、今こそ歌手として第一歩を」

Posted November. 06, 2007 03:18,   

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大衆から愛されてきた沈守峰(シム・スボン)には、何より大衆との駆け引きと呼吸ということが切実な問題だった。受身的にファンの愛を受ける「植物」のように暮していた間、沈守峰は自分の情熱をどうしようもできなくなっていた。デビュー26年を迎える年、自分を唯一の専属歌手として置いたマネージメント会社に出会った。より安定した基盤で作られたアルバム作業は、彼女の表現通り「広げることのできなかったものをぱっと広げたような感じ」だ。

●3年ぶりに11枚目のアルバムをリリース

沈守峰が直接アルバムのプロデューサーに乗り出した今度のアルバムでは、トロットというジャンルの下で多様な試みが図られた。アルバム全体に流れる沈守峰ならではの哀切なハミングは、もっと成熟になっており、哀切だった歌詞からは傷と向い合うほどの余裕が感じられた。

「数多く出会ったり別れたりした『あの時、その人』たちとの縁も、大きな意味を持っているということが、今になって分かりました。人はみんな貴重です。傷つけたこともあり、傷つけられたこともありますが…。音楽を通じてその傷を癒し、回復することができたら、それが私の残った生に終えなければならない役目です」

「最後のダンスはボレロ」は「オモナ」、「黒いめがね」の作曲家ユン・ミョンソンが沈守峰のために特別に作った曲だ。メロディーが耳慣れの大衆的な歌だ。プエルトリコ出身のギターリスト、ホセ・ペルリチアノーの原曲に歌詞を付けた「ボヘミアン」は、「百万本のバラの花」の後を引き継ぐ曲だ。

このうち最も目立っている曲は、タブローが作詞・作曲をして、ミスラ・ジンがラップ・フィーチャーした「女なので笑います」だ。金ジャンフンの10枚目のアルバムに収録された「男なので笑います」を女性バージョンで改詞した。偶然に車の中でこの歌を聞いて「まさにこれが、私のスタイルの歌謡」と考えたという。帰る途中に彼女はタブローに直接曲を依頼した。

タイトル曲を何にしたいかと聞くと、沈守峰は少しも躊躇わずに「祖国よ」と答えた。「失郷民の母親に京義線(キョンウィソン)の話を聞きながら育ちました。この間、京義線が開通し、空車で入ってくるのを見た時は、本当に寂しい気持だったんです」。お母さんへのプレゼントで作られたこの曲を聞いて、お母さんは3日間泣いたそうだ。

●沈守峰の人生を取り上げたミュージカルを製作

「いつもヒット曲を出そうとして出していたわけではありませんでした。私は自分が満足すれば、それでいいんです。歌いたい場合は、激しく歌いながら自分自身を慰めました。そこに大衆の共感が加わったのです。すべては歌うべき時に歌われ、過去のヒット曲は過去の歌に過ぎません。私はいつも現在進行形です」

いま沈守峰はミュージカルを準備中だ。今までのヒット曲で作るミュージカルは時代的にも個人的にも紆余曲折を経た沈守峰の人生を歌う予定だ。まだ大体の骨組みだけ立てられている段階だ。しかしながら、自宅におよそ70人規模の公演場が揃っただけに、今すぐモノドラマでも舞台にあげることができる状況だ。彼女は「自ら舞台に端役に出演することも検討している」と話した。

これに先だち、24日午後7時、ソウル鍾路区(チョンノグ)の世宗(セジョン)文化会館の大劇場でニュー・アルバムのリリース記念コンサートが行われる。公演場を訪れたファンは沈守峰の正統のボレロダンスとともに「現在進行形」の新曲を聞くことができる。公演のお問い合わせは1544—1555。



salthj@donga.com