Go to contents

初期は生活習慣の矯正、ひどければ薬治療と注射

初期は生活習慣の矯正、ひどければ薬治療と注射

Posted October. 24, 2007 08:12,   

한국어

アトピーにかかった子どもは、「掻きむしりながら眠りにつき、親は泣きながら眠る」という話がある。それほど、当事者や周りの人が苦しむのがアトピーだ。韓国では、小児の10%がかかるほど多く、成人の患者も増えているが、原因物質が多様で、症状と処方も様々であるため、どのように対処すべきかよく分からない病気でもある。冷たい風が吹いて乾燥すればひどくなるアトピーに、どうやって勝つことができるのか。

●石けんを使えば、ブドウ球菌を抑えることができる

アトピーは、特定物質が体に入ってかゆみと炎症を起こすアレルギー疾患だ。症状がひどくなると、アトピーの原因物質だけでなく、辛いものや冷たい風などの刺激を受けても、異常反応を起こす。また、症状が、肌、気管支、鼻、胃腸などからも現れる。

様々な症状を起こすアトピーを治すには、皮膚の治療だけではいけない。食事、衣服、寝る場所、さらにストレスまで総合的に管理しなければならない。

三星(サムソン)ソウル病院小児科の李相一(イ・サンイル)教授は、「アトピー治療には3段階の過程がある」と紹介した。

第1段階は、薬を使わずに生活習慣や環境を変える段階だ。頬、背中、胸、太もも、ひじ、膝の裏など外部に露出したり服に擦れたりする部分だけ、荒れて赤くなる症状の患者に該当する。

まず、原因となる食品を食べてはいけない。アトピーを起こす食品は、卵、牛乳、豆乳、ピーナッツ(ピーナッツバター)などの数品目だ。通常、アトピーの症状が現われれば、原因物質を見つけるために検査をするが、検査でも間違いがあるため、実生活で実験してみるのがいい。最も頻度の高い卵(菓子やパンを含む)を食べないで様子をみよう。それでも良くならなければ、卵は食べて牛乳を禁止するという方法で、一つずつチェックするのがいい。

お風呂も気を使わなければならない。一時、アルカリ成分がアレルギーを起こすと言われ、石けんを使わずに風呂に入るよう医師が助言したりした。しかし李教授は、石けんを使うことを勧める。

食中毒の原因でもあるブドウ球菌がアトピーを悪化させるが、この菌は、石けんを使って抑えることができる。石けんを使って、洗い残しがないようによくすすげばいい。また、浴槽に入っても、シャワーで体をよくすすぎ、水気を拭き取る時は、乾いたタオルではく、絞った濡れたタオルで拭くほうがいい。体がしっとりした状態で、保湿剤を塗らなければならない。

静電気がよく発生する服や、襟が体に触れる服は避け、家にカーペット、布地のソファ−、マットレスベッドはない方がいい。ペンキなど、強いにおいのする環境も避けなければならない。綿の布団は大丈夫だが、ダニの温床となる毛布は使わないほうがいい。布団は、ほこりをよくはたかなければならない。

●ステロイド薬は朝に、抗ヒスタミン剤は夕方に

こうやってみても症状がよくならなければ、第2段階の治療に移らなければならない。むろん、どの段階でも、第1段階と並行しなければならない。

第2段階は、塗り薬を使う治療だ。環境を変えても炎症がおさまらなければ、ステロイド薬を使う。多くの人が、ステロイド薬は副作用があるからと使用を避けるが、すべてのアレルギー疾患は、症状がひどくなる前に遮断すると慢性化しない。

ステロイド薬は朝に塗れば安全だ。人体は元来、朝にステロイドを分泌するため、この時に薬を塗れば、異常反応を起こさない。いっぽう、夕方、ステロイドの数値が下がる時に薬を塗ったり飲んだりすると、翌日午前になってもステロイドが残っているため、分泌する必要がないと認識する。このような状況で薬をやめれば、人体が自然な抗炎症作用すらできなくなり、症状が悪化する恐れがある。

症状がよくなっても薬を一度にやめずに1日か2日置きに朝一度塗って、徐々にやめるようにする。

かゆみを抑えるためには、抗ヒスタミン剤を使う。風邪によく使われる薬で、眠気を誘発する。このため、夕食後にこの薬を塗れば、よく眠れる。アトピーは、掻かなければ、自然によくなるケースが多い。

このように塗り薬を使っても皮膚に炎症が起きれば、注射など、一段階上の治療法を使わなければならない。

李教授は、「実際に、このように第3段階の治療法を使わなければならない患者は極めて珍しい。巷で新しく紹介される各種治療法は第3段階にあたるもので、第1、2段階の患者には不必要だが、勧める人が多い」と話す。

●森林浴でフィトンチッドを多く浴びれば、治療に效果

アトピーほど俗説の多い病気も珍しい。事実のものもあるが、科学的に証明されていないものも多い。

アトピーにかかれば、鼻炎、ぜんそくが必ず生じるのか。関連性は高いが、必ずしもそうではない。ただ、アトピーの原因物質を無くせば、鼻炎、ぜんそくの原因物質もなくなり、これらの疾病にかかる危険性が低くなる。

アレルギーを起こすからといって、効くとされる食べ物を無条件食べるべきか。そうではない。アトピーは卵や牛乳を禁止するだけでも、症状が好転する。食事を統制し過ぎるとアンバランスな栄養のために成長に問題を起こし、アレルギーを抑えるどころか、子どもを抑圧することになる。

ヒノキから抽出したフィトンチッドの清浄機、スプレー、石けんなど、アトピーにいいと言われるフィトンチッド製品が、続々登場しているが、果たして役に立つのか。国立山林科学院のカン・ハヨン博士は、「木が噴き出すフィトンチッドは木を保護するため、微生物を殺す抗菌性があり、特にヒノキ、チョウセンゴヨウ、松のフィトンチッドが、質と量の面で優秀だ。森林浴をすれば、ストレスが解消されて健康にもいい。このようなフィトンチッドを家でも使えばいい」と話す。

土で遊べば、アトピーが生じないか。多くの人が、土と親しくなればアトピーが治ると言うが、これを証明した研究論文はまだない。



artemes@donga.com