Go to contents

借りたバイオリンで奇跡を演奏した少女

Posted October. 18, 2007 03:17,   

한국어

「ドイツでコンサートをする時は、アンコール曲として尹伊桑(ユン・イサン)の『リナの庭園』のなかの『小鳥』をよく演奏します。小さくてかわいい曲である上、ドイツでは尹先生の人気が高いからです」

在ドイツのバイオリニストの金スヨン(20、写真)氏の微笑みは何のかげりもなく、明るくてすがすがしい。ドイツで生まれて育ったのに、韓国語の表現にも詰まるところがない。彼女は19日午後8時、城南(ソンナム)アートセンターのオペラハウスで、モンテカルロ・フィルハーモニックオーケストラと共演する。マエストロ・エリアフ・インバールの指揮で、モーツァルトのバイオリン協奏曲4番を演奏する予定だ。

1987年、ドイツのミュンスターの生まれで、1994年2月、ドイツ「青少年音楽コンクール」で、最年少で満点をもらって優勝して以来、金氏は新記録の更新を続けてきた。同氏は9歳で、ミュンスター音楽大学の入学試験に合格し、01年、ドイツ青少年音楽コンクールの全国大会で優勝、04年、レオポルト・モーチャルト・コンクールで1位、06年、ハーノバーバイオリンコンクールで優勝するなど、さまざまな大会を総なめした。

彼女の成功は、厳しい環境を乗り越えてドイツ公教育の恩恵だけで遂げたもので、さらに感動的だ。貧しい留学生だった父親の金ドンウク氏は、彼女が10代初頭の時代、神学の博士論文を書く途中、脳出血で倒れ、生計に困難を覚えるほどだった。彼女の天才性を惜しんだミュンスターの市民たちが、署名運動を通じて、金氏家族のドイツでの滞在を延長し、韓国同胞社会からも支援を受け、金氏は借りたバイオリンで練習に練習を重ねた。

「ドイツでは誰もが楽器を借りられるし、大学でも教授のレッスンを無料で受けられます。5、6歳のときから10代の青少年時代まで趣味で音楽を習った友達とオーケストラの活動をしたことが大きく役立ちました。青少年オーケストラですが、マレーシアやフランス、英国、南米まで、演奏旅行に行って来ましたから」

金氏は現在、ドイツ音楽奨学財団から、1750年、イタリアで製作されたバイオリンであるカミリウス・カミリを借りて演奏している。国内でもハンギル社の金彦鎬(キム・オンホ)社長をはじめ、金氏を手助けするための後援会が組織され、彼女は05年、第1回ヘイリ芸術賞を受賞した。

「本が好きで、父が読んだ本をすべて読んでみたところ、韓国語は難しくありませんでした。父はまだ体は不自由ですが、私が音楽練習をするのをみれば、非常に幸せだといいます。私を応援してくださる皆さんに感謝します」。入場料は2万ウォンー10万ウォン。お問い合わせは031−783−8000。



raphy@donga.com