いつからか、秋夕(チュソク=陰暦8月15日の節句)の劇場街に姿を見せなければ気になる外国人が一人いる。ほかならぬ成龍(ジャッキー・チェン)だ。国内の大勢の観客には、成龍が出演する映画を一本見るのも、秋夕を過ごす風景のひとつだった。しかし今年は、秋夕を過ぎて10月3日に「ラッシュアワー3」で成龍が戻ってくる。現在、撮影中の次期作(「カンフーの王」)のため、多忙な彼とメールでインタビューを行った。
—「ラッシュアワー3」をみれば、めまいがするほど華やかなアクションは相変わらずだが、年をとったという気もする。もはや20、30代の時のようなアクションを披露することは難しいと思うが、かつてと変わった事があるとすれば…。
「若い時は、安全についての考慮なく危険なスタントを試みて、けがをしたことも多々あった。今は自分も他人もけがをしてほしくないので、さらに気をつけている。その代わり、カメラの角度を少し変えれば、アクションシーンをより実感にあふれ、興味津々な物に作り上げることができる。年はとったが、観客たちに好まれる技やアクションをすることには全く問題ない。
——映画ではせりふが英語だが、英語の演技と格闘場面と、どちらがより難しいか。
「アクションは『朝飯前』だ。それで、英語のせりふの場面よりアクションシーンを先に撮る」
——エッフェル塔での格闘シーンは、めまいがするほどすばらしかった。実際はどのような状況だったか。
「主に夜に撮影を行ったが、強風が吹きつけ、雨まで降って、非常に危険なときもあった。寒くて大変だったが、一般人は入れないところまで入ることができ、素敵な経験だった!」
——あなたの映画を見に行く観客たちは、いつも面白いNG場面を期待する。いつも映画にNGシーンを入れる理由は…。
「第1は、観客たちに自分が直接スタントをしているのを見せるためであり、第2は、自分のスタントの場面が危険だということを見せることで、若者たちがまねするのを防ぐためだ。第3は、映画の撮影中に起きる面白い出来事を観客たちに見せたいためだ」
——洪金宝(サモハン・キンポー)や元彪(ユン・ピョウ)など、韓国で成功した香港のアクション俳優たちも多いが、今まで人気を保っているのはあなただけだ。その長寿の秘訣は…。
「それは秘密なので言えない。ハハ。どうしてなのか、はっきりした理由は分からない。ただ、運がよかったし、タイミングもよかったと思う。例えば、李小龍(ブルース・リー)が死んだとき、私は彼とは異なることを試みた。彼は高く足けりをしたが、私は低くした。彼は非常に深刻だったが、私は笑わせるためにがんばった。彼の武術は伝統的だったが、私は異なるスタイルを入れ混ぜた。そして、周りの物を利用した。観客たちはそのような試みを高く評価してくれた」
——「成龍は総合病棟」という言葉もある。高難度のアクション演技のため、体中にけがを負い、これ以上けができるところも残っていないという意味だ。現在、体の状態はどうか。
「非常に元気だ。先月、『カンフーの王』の撮影中、背中にけがを負ったが、すぐ治った。『ラッシュアワー3』の撮影のときは、胸にけがを負ったが、深刻な状態ではなかったし、数日ですっかり治った」
——「神話」をいっしょに撮った金喜善(キム・ヒソン)の結婚が決まった。
「結婚のニュースを聞いた。撮影のため、結婚式には出席できないと思う。祝賀のメッセージと共に幸せな未来をお祈りしたい」
——秋夕に成龍の映画がなければさびしいと思う人がいるほど、韓国ファンたちの愛情は格別だが。
「私も同じく、韓国のファンや韓国を愛する。1970年代には韓国で2年間暮らしたこともある。当時、夜間通行禁止があったので帰宅を急いだし、その時間が過ぎれば、タクシー代が高く、人たちが真夜中にビルの中に隠れたりしたことも思い出す。韓国のファンのかたがたの愛情にはいつも感謝している」
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