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秋夕に、わが伝統の山と酒に酔いしれよう。

秋夕に、わが伝統の山と酒に酔いしれよう。

Posted September. 22, 2007 08:45,   

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山に登り、昔の人の足跡を確かめながら伝統の酒を飲み、その中に盛られた風流を吟味すること。実にロマンチックなことだ。ここに煌々光る中秋十五夜の月とともに、その浪漫とはどんなものかかみ締めてみよう。秋夕(チュソク)を迎え、久しぶりに向い合った故郷の山を、もう一度眺めて見よう。

「千年山行」とは、昔の人々ととも私たちの行く道でもある。私たちの山の美しさは勿論、その山に刻みこまれた昔の先人たちの足跡を確かめて、彼らと話し合うように案内してくれる.

忠清南道禮山(チュンチョンナムド・エサン)の徳崇山(トクスンサン)とマンゴン僧侶、全羅南道康津(チョンラナムド・カンジン)の萬鄹山(マンドクサン)と丁若饁(チョン・ヤクヨン)、全羅南道海南(ヘナム)の頭輪山(ドゥリュンサン)と艸衣(チョウィ)禪師、慶尚南道陝川(キョンサンナムド・ハプチョン)の伽倻山(カヤサン)と崔致遠(チェ・チウォン)、忠清南道扶餘(プヨ)の萬壽山(マンスサン)と金時習(キム・シスプ)、慶尚北道奉化(キョンサンプクド・ポンファ)の清凉山(チョンリャンサン)と退渓・李滉(テェゲ・李ファン)、全羅北道扶安(チョンラプクド・プアン)の雙仙峰(サンソンボン)、全羅南道新案(シンアン)の黒山島仙遊峰(フクサンド・ソンユボン)と丁若銓(チョン・ヤクジョン)など、名山20ヶ所と先人20人との縁を紹介している。

雪が降りしきる海南の頭輪山。大興寺(テフンサ)の後ろに上がって艸衣禪師が泊まった一枝庵(イルチアム)に着いた著者は、お茶一杯飲みながら艸衣を呼び出す。艸衣禪師から「お茶を飲むことは大道を得る事」という話を聞く。そうして、艸衣の知友だった秋史の滑稽な手紙文のうち、「艸衣!あなたのお茶が切れて飲むことができず、舌に炎症がし、心もぼーとなる。早くお茶を送ってほしい」という内容も思い浮かぶ。まもなく雪の降った一枝庵の風光に全身を寄せたまま懐かしさでいっぱいになりながら、待つことを深く考えてみる。

この本は、このような方式で話が展開されている。清凉山で退渓に会い、万徳山で茶山(タサン)と一緒に歩き、雙仙峰では芸者のメチャンと詩を交わす。

清凉山で退渓に「山が何か」と問うと、退渓はこう答える。

「私の号である退渓の意味のように後ろに退いて、山野に埋まることが私の一生の宿願です。万古に毅然たる青山の理法を心中に引き入れ、道義を培い、心性を育てるのに私の楽しみがあるからではないか。」

そうだ。退渓の話を聞いたら、わが山が、もっと高くて堅固に見える。

「酒徒千里」ではお酒のにおい、人のにおいがぷんぷんと漂う。長い間、伝統の酒文化を探求してきた著者が、全国の津々浦々を回りながら、歳月の中に埋まっていく韓国の酒のにおいを、また呼び出した。黙々と酒を仕込む酒職人たち、各々独特の事情が盛られた酒の製造法、酒を友にした昔の人たちの風流など、面白い内容が多い。

著者は、慶州(キョンジュ)法酒の「花𩒐(ファラン)」の話をしながら、酒が好きで唐にまで酒のにおいがしたという金庾信(キム・ユシン)の話、慶州雁鴨池(アンアプチ)でサイコロを投げながら賭を楽しんだ新羅の人々の飲酒風流の話を添える。

「花𩒐」の風変りな製造法も面白い。普通、伝統酒の製造期間が30日だが、花𩒐の醗酵期間は150日。それに醗酵させるうちに国楽や西洋のクラシック音楽も聞かせる。醗酵中の酒樽の中で数多くの微生物が音楽を聞きながらもっと良い酒の味を作り出すことを期待するという。お酒作りに傾ける努力に驚くばかりだ。

お酒の強い町内で有名な済州島(チェジュド)に行ってみよう。高麗(コリョ)時代にモンゴルの支配を受けた時、済州に焼酒が伝来された話、島流しの生活をしていた秋史・金正喜(チュサ、キム・ジョンヒ)が好んで飲んだという麦麹のお酒話、卵とごま油が入る独特なオハプ酒の話に至れば、ちょうど酔いがして気持ちが良くなる。この時、著者はこのように話す。

「私を誘惑する酒のにおいに付いていった。そこにはただ、酒だけではなかった。酒に人生をかけた職人や古い文化や歴史があった。」



kplee@donga.com