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21世紀式ロマン、慶尚道式新派 映画『愛』

21世紀式ロマン、慶尚道式新派 映画『愛』

Posted September. 18, 2007 03:18,   

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21世紀に入っても、依然として多くの男性たちが「ストレートのロングヘアに清純可憐な女性」という古臭い好みにこだわっているように、「ペット男」(年下の男性をペットを飼うように付き合う関係)も飼うといわれる昨今の女性たちにも古典的なロマンは残っている。「命をかけて自分だけを守ってくれる男、他の人たちには強いが、自分にだけは優しい男」。20日封切する映画『愛』は、ある男性の愛を通じ、女性たちを「あのような男性だったら」という幻想に陥らせる。なぜ幻想かと?このような男性、このような愛はそもそも現実にはないから。

チェ・インホ(チュ・ジンモ)は、小学校時代から心に思っていたミジュ(朴シヨン)と高校時代に再開したあと、彼女を守ってあげると約束する。しかし、その約束を守ろうとして前科者になり、ミジュとは連絡が途絶えてしまう。かろうじて気を取り直して生活していたインホは、ユ会長(チュ・ヒョン)の一目置かれて彼の子分になって成功の花道を歩むが、ミジュがユ会長の女となって目の前に現れる。

紛れもない新派、本物の新派だ。貧乏で喧嘩の強い男、密輸屋の父親と賭博屋の母親にポンドを吸入する兄を持つ女、恵まれていない二人の男女が座って一緒に歌う歌は、幸せな家庭を描くかのように「ママ、パパも一緒に トゥギャザー・トゥギャザー〜」という思い出のCMソングだ。

再び現れた女は、よりにもよって恩人の女になっている。男は彼女とユ会長に「ごゆっくお休みなさい」と言って出ては、1人で「畜生、人の縁なんて」と泣く。なんて惨めなんだろう!ところが、新派が弱ければ幼稚なものだが、観客を最後まで引きつかせればそのような考えをする前に涙が先に出てしまうのだ。

クァク・キョンテク監督は「『友人』が慶尚道(キョンサンド)式の友情を物語ったならば、これは慶尚道式の愛」と説明する。暴力の度合いの激しいシーンに溢れるマッチョイズム的なエネルギーと釜山(プサン)の退色した路地は『友人』を思い浮かばせるものがある。しかし、『友人』でもずっと引っかかっていた女性に対する暴力と乱暴な言い方は登場人物たちの住む世界のリアルリティーのためのものかもしれないが、同映画でも女性の観客にとっては抵抗感を感じさせている。

これはチュ・ジンモの映画だ。1人で映画をリードして「美男子スター」のイメージに縛られていた能力を120%発揮する。卑しい目つきをして世の中でもっとも卑劣な口調で「愛している」と言う、殴りつけたくなるほどいやなチンピラ役の金ミンジュンの姿も今まで彼が見せてきたキャラクターのうちもっとも印象深い。15歳以上。



yourcat@donga.com