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目立つ想像力や深い叙情性

Posted September. 14, 2007 03:08,   

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今週、教保(キョボ)文庫のベストセラー詩集部門トップ10のなかには金ソンウ(36)氏の、『自分の体中に眠っている方はどなたでしょう』と、金ギョンジュ(32)氏の、『私はこの世の中にはない季節だ』がある。『自分の体の中に…』は発売から2ヶ月で1万部余りが売れ、4刷に入った。『私はこの世の中に…』は、昨年7月の発売以来、1万部余りが売れ、引き続き人気を集めている。

10位圏内のほかの詩集と比べれば、これらの詩集は一風変わっている。10位圏内の詩集のうち7冊が、詩人たちの従来の詩を厳選したコンピレーション詩集。「売れる詩集はコンピレーション詩集でなければ、スター詩人の詩集だ」という言葉が定説となって久しい。金ソンウ、金ギョンジュ氏は、評論家集団から注目を受けている若手の詩人だが、大衆的な認知度はそれほど高くないのが現状。なのに、市場で意味ある成果を収めている。

静かに人気を呼んでいる若手の詩人は彼らだけではない。昨年11月に発売された李ビョンニュル(39)氏の「風のプライバシー」は8000部以上売れ、5刷までいった。シン・ヨンモク(33)氏は、最初の詩集「その風を全てかけなければならない」が4刷に入り、公告のコピーにまで引用され、新詩集「風の百万回目の奥歯」は発売から1ヶ月で2000部が売れた。

文学が競争しなければならない読み物があふれている現状では、小説集もなかなか1万部以上は売れない。重刷の難しい詩集がほとんどだという現実で、若手詩人たちのこのような意気込みには驚かされるばかりだ。静かで強い彼らの興行コードは果たして何だろうか。

評論家のシン・ヒョンチョル氏は、「プラスアルファだ」と説明する。地道に人気を集めている若手の詩人たちの場合、「詩に対する一般的な要求事項を忠実に備えていながら、プラスアルファを持っているのが共通点だ」という。「市場での反応があるということは、読者層が限られておらず、その範囲が広いことを意味するが、若手の詩人たちの詩集を好む読者たちを見れば、実際、世代を網羅する。読者たちにくまなく訴えられる、普遍的な意味でのよい詩には美徳があるという意味だ」。たとえば、金ソンウ氏は、多様な世代の女性に全て響きを与える女性性を、金ギョンジュ氏は、世間と立ち向かう強い意志を、詩に盛り込んでいるという。その一方で、常套性から抜け出す実験を試みるため、「なじんでいるもの+新しいもの」を一緒に詰め込んでいるという。

評論家の権赫雄(クォン・ヒョグン)氏も、「人気のある若手の詩人たちの作品は、読者たちには見慣れない叙情的な感じを備えるものの、それぞれ個別的に変容して、個性や新鮮さを引き出す」と分析した。読者たちが普遍的に期待するコンテンツを備える一方、その期待を新鮮に裏切るという。実際、シン・ヨンモク氏は、伝統的な叙情性をうまく駆使しながらも、確固とした認識の枠を示しており、李ビョンニュル氏は、恋や別れについての繊細な感受性を見せながら、独特な想像力を加える。権赫雄は、「スターパワーに頼らず、作品を読む人から共感を引き出す最近の傾向は喜ばしいことだ」とした上で、「読者と離れていると思われた詩というジャンルが、最近、これだけの反応を得るのは、われわれの詩壇においては重要な転換点となりうる」と話した。



kimjy@donga.com