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「命がけの愛」に俳優としての生命をかけて挑戦しました

「命がけの愛」に俳優としての生命をかけて挑戦しました

Posted September. 11, 2007 03:11,   

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今年3月、俳優のチュ・ジンモ(33)は、親しい仲の俳優のチャン・ドンゴンの家に遊びに行った。2人で冷蔵庫の中にあるもので間に合わせているとき、突然「愛」という字がチュ・ジンモの目に入った。

「あれ、何?」(チュ)

「あ、クァク・キョンテク監督がモニターリングしてみろと言ってくれたものなんだけど、読んでみる?」(チャン)

最初は何の考えもなしにご飯を食べながら1枚、2枚めくってみた。ところが、次第に強烈にひきつけられた。そばでチャン・ドンゴンが食事の後、食器洗いを済ましてから声をかけても、彼はシナリオから目を離すことができなかった。

「兄貴(チャンのこと)、これ誰がやることにしたの?」(チュ)

「○○○が内定したそうなんだけど」(ちゃん)

午前2時、じれったい思いをしていたチュ・ジンモはマネージャーに電話をかけた。「俺、これやらないと死ぬかも!」

出演依頼が入ったわけでもないので、余計なプライドは捨てた。ひたすら「やりたい」という思いばかり。その後も、紆余曲折の末とうとう配役を手に入れた。その映画が20日封切する『愛』だ。

『友人』のクァク・キョンテク監督の新作『愛』は、チェ・インホ(チュ・ジンモ)という男の純愛物語だ。小学校時代に始めて出会ったミジュ(朴シヨン)を愛し、その女のため前科者になるが、再会したミジュは彼を育ててくれたユ会長(チュ・ヒョン)の女になっていた。

「顔やイメージだけで表現される俳優から脱したいと思っていました。頑張ってしゃれた格好をするよりは現実的な姿」

学生服に釜山(プサン)の方言をはじめ、暴力と愛…。多くの人がこの映画を「友人2」と受け止めている。ひいては、クァク監督が前作『台風』が思ったより興行成績が振るわなかったので、『友人』をコピーしようとしたといううわさまで立った。

「今まで『クァク・キョンテク作』といえば、男の力、途切れんばかりの連結、強い感情などが特徴であり、余計な贅肉のない映画ってイメージでした。ところが、『愛』は観客が望むファクターを入れてやや味付けをしていました。感情を一番大事にする映画であり、私も過剰な男らしさを控えました」

内容上で同映画は悲劇的な「新派」だ。愛がせいぜい1年や2年しか続かない昨今の時代に出た馬鹿のような男の一筋の愛。しかし、チュ・ジンモは「若い世代のトレンドに合わせた映画ではなく、彼らをひきつける映画」と強調する。映画のチェ・インホのように「ある人が好きになると、その人だけをみる」という彼は、「女のことをよく知って表現する男がいれば、女のことをよく知らずに表現する男がいるが、チェ・インホは後者です。『プレイボーイ』とは程遠いので、愛する女に振り回されるタイプ」と説明した。

「俺がお前を守ってやってもいいのか?」映画の中のインホはそのような台詞を発し、一生その言葉を守りきる。「行くな、女は瞬間だ」というユ会長に「僕は違います、先生」と、彼は去って行った。

人間チュ・ジンモもそうなのか。「血気盛んな20代には、私も恐ろしいことがありませんでした。ところが、歳をとるにつれて…。心は同じなんですが、現実的には難しいでしょう。(笑い)映画は『理想』なんだから」

代わりにチュ・ジンモは映画に命をかけた。「ハリウッド方式」で撮影期間をきっちり守って撮ったため、2週間で10キロを減らしたが、お腹がへりすぎて不眠症に苦しんだくらいだ。チャン・ドンゴンが『友人』で、チョ・インソンが『卑劣な距離』で美男子スターのイメージから脱したように、彼は今回こそ「チュ・ジンモの再発見」になるだろうと意気込んでいる。

彫りの深い「異国的な顔たち」のチュ・ジンモが、画面から映ったらあまりさっぱりした顔立ちには見えないが、実際に会った彼は小顔にかなり繊細な目鼻立ちの持ち主である。それでも「華やかな顔とよく言われるでしょう」と冗談半分で声をかけたが、彼は真剣に受け止めている。

「一時はそうだったんですが、今は違います。私の考えでは見せかけの演技をすると、気取っているといわれるようです。本物の演技をすればそうではないんですが、私が一時そのイメージにだけ映ったようですね。今回は本当に違いますから」



yourcat@donga.com