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諷刺で…説話で…、現代の中国作家2人の時代を批判

諷刺で…説話で…、現代の中国作家2人の時代を批判

Posted August. 25, 2007 03:26,   

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『待つこと』/ハ・ジン著・キム・ヨンス翻訳/480頁/1万2000ウォン/時空社

「毎年の夏、クンリンはスイと離婚するために剔コにある家に行った。」

『待つこと』はこの文章で始まる。敍情的だが衝撃的な。

『待つこと』は中国作家のハ・ジン(51、写真)を一気に米国文壇のスターに浮上させた作品。ハ・ジンは29歳に渡米し英語で小説を書き始め『待つこと』でペン・フォークナー賞と全米図書賞など米国の権威ある文学賞を受賞した。

小説の背景は、中国の文化大革命期だが革命の傷は表面積に現われない。話は優柔不断な所帯持ちの男性と保守的な妻、所帯持ちの男性の恋人が編み出す18年間の話だ。親の意思によってスイと結婚した軍医官クンリン。自分と両親に献身的な妻がいやなわけではないが、妻が田舍臭くて他の人に見せるのはきまり悪い。

そんな彼が粹な看護婦に会って愛に陥った。彼はもう選択をしなければならない。毎年クンリンは離婚するために故郷に行って妻に会うが、スイはいつも最後に心を変える。クンリンはもう「別居してから17年になると、妻の同意なしに離婚することができる」という法に頼るしかない。マンナの美貌は変わり他の男に性暴行されるが、クンリンを長年待ち、結局結婚する。

彼らは幸せだったろうか、この話の終りには悲しい反転がある。平気で寂しい文体によって 『待つこと』は切ないラブストーリーのようだ。ところがそこに止まらない。作家は伝統をスイに、現代社会をマンナに擬人化し、その間で葛藤する中国人の姿をクンリンに投映する。革命の残酷な暴力が露骨的に現われてはないが、それでこの小説は驚くべきだ。多くの読者が共感する、愛によって胸を裂く傷の深さがまさに革命の傷の深さということをハ・ジンは静かに教えてくれる。

涙(全2冊) 蘇童著・金ウンシン翻訳・336ページ(1冊)、288ページ(2冊)・各9500ウォン・文学村

孟姜女の話は中国の4大民間説話の一つだ。秦始皇の長城工事に徴発された夫を探しに出た孟姜女は苦労のあげく城に着いたが、夫が亡くなったという話を聞く。性の下で毎日涙を流す孟姜女。10日ぶりに城が崩れながら夫の遺骨が発見された。

『私、帝王の生涯』『米』などで国内にもよく知られた中国作家の蘇童(44、写真)がこの説話に想像力を加えた。『涙』の主人公は髪の毛で涙を流す女性「ビヌ」だ。 秦末に、皇帝の叔父さんの悔しい死に涙を流したという理由で、村の人々が殺されて後、村で涙は禁止された。村の女性たちはそれで身体の他のところを利用し密かに泣く方法を学ばなければならない。髪の毛で泣くためにビヌはいつも髪が濡れていて、においがし、くしけずることもよくできない。

ビヌは貧しいがまじめなワンチリャンと結婚して幸せな日々を送るが、しばらくして主人は万里長城の工事現場に連れて行かれる。主人のために冬の服を作ったビヌは千里の道を厭わなずに夫を尋ねることにする。

蘇童の想像力は驚くべきだ。ビヌが行くあらゆる苦難の道は現代資本主義社会の諷刺だ。人が商品で取り引きされる人間市場、子供たちが獲物で使われる狩り場…。ビヌは涙湯の薬を作る管理につかまって涙を流し、悪い人によって売られたりする。

厚い本だが早く読める。中国小説特有の「敍事の力」を感じることができる。それとともにメッセージも重たい。蘇童は疏外の問題について語る。権力も財産も何もない、資本主義社会で疏外された人々の涙がどれほど純粋で崇高なものなのか蘇童は極めて劇的で象徴的な話を通じて知らせてくれる。



kimjy@donga.com