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韓日小説家の友情が盛り込まれた手紙

Posted August. 10, 2007 05:46,   

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小説家・申京淑(シン・ギョンスク、44)さんと日本の作家津島佑子(60)さんのソウル東京往復書簡『山のある家、井戸のある家』(現代文学)が出版された。06年3月から1年間にわたって、韓国の文芸誌「現代文学」と日本の文芸誌「すばる」に、同時連載したものだ。2人は10年前に日本で開かれた「韓日作家シンポジウム」で知り合い、交友してきた。

「あなたのお母様が田舎の畑で働いている姿が浮かんできます。小さくて素朴で、忍耐を要する日々の人生だけが最後に残る結実になる、と『離れ部屋』の申京淑さんのお母様の姿が私に教えてくれます」(津島佑子)

「互いに何かについて書こうとあらかじめ約束したわけでもないのに、先回の手紙で私たちは結局それぞれ同じことについて書いていましたね。漠然と津島さんと一緒に文章を書けば幸せそうだと思われたのは、ほかでもなく、こうしたもののためだったんでしょうか」(申京淑)

日常の小さなことに意味を付与することで始まる2人の手紙は、自身の内面を打ち明ける方向へ進む。小説家・太宰治(1909〜1948)の娘である津島さんは、自殺で生を終えた父についての記憶、ダウン症候群を病んでいた兄の死、息子を事故で失った話など傷多き家族の歴史を淡々と語る。申さんも、字の読み取り・書き取りができず、娘の小説を読めない母、女だという理由で常に兄たちより後回しにされていた幼い時代の物語を淡白な文体で書いていく。

個人のヒストリーだけでなく、青少年犯罪問題、神社参拝と南北(韓国・北朝鮮)分断問題など社会問題についても意見を交わしている。両国の作家の温かく整えられた文章に盛り込まれた深い事情が感じられる書簡集だ。



kimjy@donga.com