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7月に雪に氷河の滝…疲れた体が癒された

7月に雪に氷河の滝…疲れた体が癒された

Posted July. 09, 2007 03:04,   

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真夏に訪れるニュージーランド。この上ない選択だ。今、南半球は寒い冬だから。

ニュージーランドでの冬の旅の真髄として、私は迷わずこの氷河を選ぶ。氷河旅行にもメニューがある。その最高の場所は、サザン・アルプス山脈の最高峰であるマウントクック(原住民のマオリ族の言葉ではアオラキ)の下のタズマン氷河だ。厚さ500メートルの巨大な氷河。しかし、その様子は巨大な雪原だ。その氷河の上に白いセスナ(軽飛行機)が飛びまわっては、静かに下りる。車輪代わりにスキープレートをつけて。7、8月にはここでもスキーをする。

ピオルへの旅は、氷河ツアーの変奏曲とも言える。ピオルとは、覆われていた氷河がなくなって現れた岩峰が、海水面の上昇で海と出会って作り出す特別な地形を言う。

南島のピオル旅行地として有名なところはミルパドサウンドだ。サウンドとは狭い海。ピオル地形の山岳は氷河によって削り取られて、すべてが鋭い峰をなしているが、その岩峰によって作られた谷間に海水が満ちているため、サウンドは湖のように静かだ。だから、ミルパドサウンドのピオル旅行は、遊覧船に乗って楽しんだほうが最適だ。

東京から私を乗せたエアーニュージーランド航空機が降り立ったのはクライストチャーチ。南島最大のこの都市は米国やニュージーランドの南極へのベースキャンプ地だ。私はここで、クィンズタウン行きの飛行機に乗り換えた。クィンズタウンは南島旅行のベースキャンプ地だ。ミルパサウンドはもとより、コロネットピークやザ・リマカブルス、トラブルコン、そしてカドロナなどの南島のスキー旅行はすべてここから出発する。

1時間10分間の飛行。飛行機の右側の窓から、雪に覆われたサザン・アルプスの壮観が離れない。いつ見ても神々しいこの巨大な山脈。クィンズタウンはその南端に位置している。双発ジェットプロブ(ジェットエンジンにプロペラ推進)の飛行機が大きく旋回すると窓の外に巨大な湖や家々が見え始めた。クィンズタウンだ。この湖はワカティプ。幅4キロ、長さがなんと85キロにも及ぶこの巨大な湖も、同じく氷河の産物だ。サザン・アルプス山脈を覆っていた氷河が溶けて削られた跡に溜まった水だ。

この世の中に、クィンズタウンほど美しい都市がはたしてあるだろうか。旅行専門記者として働いた13年間、私はその答えを見つけることができなかった。巨大な山脈のど真ん中に囲まれたきれいな湖。その湖畔を彩る小ぢんまりとした家々や羊たちの走り回る丘、そしてゴルフコース。湖の上には100歳ぐらいの蒸気船「アンスロー号」が煙を吹きあげながら行き来し、雪でも振ったら、山々や町はすべてが真っ白な雪原に変わるきれいなところだ。

翌日午前6時50分。南緯45度(北緯度としては北海道の位置)のクィンズタウンはまだ、真っ暗だ。ミルパドサウンド行きのコーチ(バス)はいつものように、この時間に出発する。世界各国からつめかけた観光客を乗せて、クィンズタウン西側のピオル地形に向う。ワカティプ湖を右に、テアナウ湖畔を過ぎてミルパドサウンドまでの道のりはきっかり297キロ。時間は5時間30分がかかる。途中で何ヶ所かを立ち寄るためでもあるが、テアナウからミルパドサウンドかけての山岳道路(120キロ)があまりにも険しいからだ。

しかし、この旅路は退屈しない。あまりにも美しく、映画「指輪物語」でも目にしたようなすばらしい風景が周辺に散らばっているからだ。

12時45分。遊覧船がスタートした。遊覧船は巨大な岩峰からなる巨大なピオル峡谷の、湖のような物静かな海を航行する。雪まで降った悪天候なのに、人々はまったく気にしない。3階のデッキに上がり、周辺の風景を見るのに余念がない。その中でも圧巻は、岩の絶壁の上から水を落としている滝だ。たびたびイルカが泳いでいるのも見られるし、アザラシの一家とも遭遇する。この海に豊富なクレイフィッシュ(ロブスターの一種)が彼らの呼びつける。

午後2時40分。遊覧船ツアーが終わった後、クィンズタウン行きのバスに乗る。4時間50分間の長いバスの旅が待っているためだ。再び山岳道路を越える険しい峠。ピオル地形を抜けるや、空はいつそんなことがあったのかといわんばかりに晴れ渡っていた。途中で立ち寄ったテアナウ町。山のてっぺんに白い雪をいただいているレイオル山を背景に繰り広げられている美しい湖はいつ見てもきれいだ。真夏に訪れれば、素敵な休みが期待できそうだ。



summer@donga.com